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フジサンケイクラシック 2015

連覇がかかるヒロシ、弾みをつけていざアメリカへ・・・!

昨年の覇者なのに、前日1日火曜日の夜からヒロシはずっと居心地の悪い思いで大会週を、過ごしている。「今日の前夜際のスピーチと、明日のプロアマ戦が一番緊張します」。

前夜は、山梨県富士吉田市の「ハイランドリゾート&スパ」で盛大に行われた前夜際は、壇上で戸張捷(とばりしょう)大会ゼネラルプロデューサーとの掛け合いによるスピーチ。

そして、この日2日の水曜日は大会主催のフジテレビの日枝久(ひえだひさし)会長とのプロアマ戦。
ディフェディングチャンピオンのつとめとして、晴れ舞台に引っ張りだこも、「僕は喋るのが得意ではないので」。人前で話すのが苦手な上に、大会の重鎮を前にして、いったいどんな話題を振ったらいいのやら。

「みなさん、僕よりも知識のある方々なので。難しい・・・」。一見ひょうひょうと見えて、内心は頭を抱えているヒロシ。
「あいつ何だ?と思われていないか、とか。粗相があったんじゃないか、とか」。
気の利いた会話で盛り上げたい気持ちで一杯だからこそ、悩んでしまう。
「どうしたらいいのか・・・」。昨季は今大会で嬉しいツアー初Vをあげ、今年はセガサミーカップでさっそく2勝目。現在賞金ランクは堂々2位のプロ12年目も、今だにこのプロアマ戦には慣れない。「毎試合、模索してます」。

最後までぎくしゃくしながら上がってきた。「どの試合でも思うんですけど今日ももうちょっと、何か明るい話でも出来たんじゃないかとか思います」。ひそかに後悔一杯の18番グリーンで、日枝会長からありがたいエールを頂いた。
昨年の最終日の表彰式で、会長からまさにこの場で受けた優勝杯。「2年連続で、渡したい」と期待をこめて言われて「あれ、それで、僕はなんて答えたのだっけ・・・」。緊張で、一語一句は覚えていないが「確か、わかりました、と・・・」。
とにもかくにもヒロシには、激動のこの2日間を無事終えて、いよいよ翌日には大会初日。豪州のグラハムマーシュと、ジャンボ尾崎、石川遼に続く大会史上4人目の連覇に向けて、ヒロシがティオフ。
「昨年は昨年、今年は今年だから。また新たな気持ちで」と気負いはないが、主催者との約束を果たして快挙達成なら何よりの餞別になる。

大会最終日の翌7日・月曜日にも渡米する。昨年11月の世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」で3位に入り、来季の米ツアーと出場権をかけた全4試合の入れ替え戦「ウェブ・ドット・コムツアーファイナル」の出場権がある。
2013年には誰にも内緒で米ツアーの予選会に初挑戦。ゴルフを始めた14歳から、「世界で一番高いレベルでやってみたいという思いがあった」。東北福祉大の後輩の松山英樹が本格参戦を果たしてからは、ますます強くなった。
今年は全英オープンと、メジャー最少スコアタイの63を出した先月の全米プロと、メジャーでの活躍も着実に増やして、満を持して発つ。
その直前に、連覇でいっそう弾みをつけたいヒロシだ。

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