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フジサンケイクラシック 2015

2度目の賞金王も見えてきた!! 金庚泰 (キムキョンテ)が今季3勝目のチャンス

ムービングデーの18番は、この日最後のバーディトライで、いつものポーカーフェイスが一瞬、崩れた。少し不服そうに、口をとがらす。スライスと読んだ4メートルは、「30センチ手前くらいで、ほんとにもう、真ん中から入ったと思った」。確信して歩き出そうとした瞬間に、「そこから急にフックして・・・」。最終日を前にして、「このコースでは4打差と、5打差ではやっぱり、大きいと思って」。

2012年のチャンピオンは、富士桜の怖さをいやというほど知っている。1打でもリードしておきたいところだったが、この日のゴルフの内容を考えれば上出来だ。
「あのドライバーショットじゃあ・・・」。あんまり欲張ったことも言えない。
むしろ「今日は、本当に運が良かった」とは、本人も認めるところ。

右ドッグレッグが多いこのコースに、ドローヒッターの庚泰 (キムキョンテ)はこの日、苦戦した。「右を向いて打つのは気持ち悪い」とあえて左を向いて、プッシュさせる感じで打つものの、引っかけて左に行ったり、ミスショットでそのまま右に突き抜けてしまったり。

3番、6番、8番でもティショットが右の林へ。しかしヒヤリとしたのは一瞬で、ことごとく、木に当たって打てるところまで出てきた。「3番は、むしろ前に飛んでくれた」とさっそく命拾いのバーディは、そこから7メートルに乗せてねじ込んだ。

そして2打目が木に跳ね返ってラフまで出てきた6番では、なんとそこからピンまで20ヤードの3打目をチップイン。イーグルを奪えば、普段冷静な選手も、つい「今日はついてる!」。後半は、フェアウェイをとらえたホールが1つだけと、本人にはこの3日間でもっとも苦しい展開にも、度重なるラッキーに救われた。

しかも、幸いにも上がりホールで徐々にティショットの精度もよみがえってきて、「前半の内容じゃ、明日はこのコースで戦えないと思ったけれど。今日は悪い中でも頑張れて満足。このあと練習して、調整してショットが元に戻れば、明日は僕にもチャンスがある」。

大会2勝目をあげれば、今季3勝目で2度目の快挙もやにわに現実味が帯びてくる。韓国選手として日本ツアーで初の賞金王に輝いたのは、2010年。今年はシンハコーポレーションタイランドオープンと、ミュゼプラチナムオープンで2勝をあげて、目下賞金ランク1位を走る“鬼”は、「この状態のまま頑張れれば、今年もまたチャンスがあると思います」。
富士の麓で自身2度目の戴冠をも睨む。

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