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ISPSハンダグローバルカップ 2015

アンジェロ・キューはプレーオフ敗退にも「2位でも悪くない」

史上まれにみる大混戦も最後は、クラブハウスリーダーの存在が、あとに続く選手たちの目標になった。いち早く通算14アンダーにしたのは、最終組の5つ前で回っていたアンジェロ・キュー。

アジアンツアー3勝の雄は最終的には、開幕のかなり前に、日本ツアーのファイナルQTランク31位の資格で出場権を得たが、当初はポールターやシュワーツェルらと肩を並べる招待外国人選手として、第1回の記念大会に花を添えることになっていたと、半田会長が明かしたほどである。

フィリピン出身の36歳が、参戦4年目の日本ツアーで迎えた初優勝のチャンス。本戦は、ボギーなしの64。最後の18番も、絶妙のアプローチでピンそばのバーディ締めは、圧巻だった。

そこまでは完璧だったゴルフも、そこから1時間以上も待って武藤と挑んだプレーオフは、18番のサドンデスで「今週、最悪のドライバーショットが2発も出てしまった」と、2ホールとも左に林に打ち込んで、万事休すだ。

パー5でのプレーオフは、最低でもバーディを重ねていかなければ勝算がないのは言うまでもなく、「そのアドバンテージは僕ではなく、武藤選手が取ったわけです」と、さばさばと「負けても次の大会にはまた出られるわけだし2位でも悪くない」。武藤のお祝いムードの中でも表情ひとつ変えず、背筋を伸ばして堂々と引き上げてきた。

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