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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2015

武藤俊憲は、会長の思うツボにはならない!

出だしの1番で、カラーから3パットのパーでも、7番では1.5メートルの絶好のチャンスをみすみす外しても、前半のアウトコースはバーディひとつと伸び悩んでも、イライラしない。

「ムキになってやっても、倉本さんの思うツボだから」。2015年のプロ日本一決定戦は、普段のツアー競技と違って、公益社団法人日本プロゴルフ協会の主催。会長の倉本昌弘は、今年のコースセッティングのポイントのひとつとして、「飛ばし屋有利にはしない」と話しており、「しゃかりきになればなるほど今週は、ますます傷口を広げることになる」と、武藤も心得ている。

まして、今はショットの調子がけっして良いとはいえず、12日火曜日のプロアマ戦でもちっともチームに貢献できずに、「アマチュアの方に、お願いします、と」。そんな状態の中ならなおさら、ムキになって頑張りすぎると、もう手に負えなくなる。
火曜日のうちに、そんな悟りを開いて「今週は、クラブを振り回すよりも、ゆったり振ってぽーんと飛ばす。まるで、手嶋さんのように」。昨年覇者の手嶋多一は、同じ契約メーカーの先輩。「いつもお世話になって、参考にさせてもらっています」と、球を自在に操る感覚派のベテランのイメージを大切に、この日は同組の藤本佳則や、ブレンダン・ジョーンズら、豪快ショットがウリの選手のプレーも一切、見なかった。

「ツアーはどんどん若い子が出てきて、そろそろ今までと同じようではこの世界では、生き残っていけない」と、近頃は37歳という自分の年齢を、強く意識するようになってきた。
2008年と09年と、11年のトータルドライビング1位も近頃では“大人のゴルフ”を心がけるようになり、「ドライバーも、目一杯叩いていないし、ターゲットを狙って割り切って打てる。歳とって、悪いなりにしっかりとスコアをまとめられるようになってきた」と、及第点の64。

特に上がり4ホールは圧巻で、「最後に2つ、おまけも来た」と、17番は188ヤードのパー3は、5番アイアンであわや「入りかけ」。ホールインワン寸前のショットで沸かせると、この日最後の18番では右手前から5メートルのバーディチャンスも、しっかり決めた。4連続バーディで、初日からリーダーボードに名前を載せた。

昨年は連戦中のケガもあり、「1勝も出来なくて悔しい思いをした」。昨季の無念を晴らすにも、申し分ないタイトル獲りにむけて、さっそく初日から武藤がアドバンテージを握った。

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