JGTO最小の身長158センチ。
日本が誇る、小さな戦士が大きく成長して戻った。
賞金1位で2年連続出場を果たした比嘉一貴(ひが・かずき)は、12日の事前会見に臨み「去年は苦しい結果になりましたが今年はここまでいい状態で来られましたし、良い準備もしてきた。楽しみで迎えられる」と、笑顔を見せた。
初出場を果たした昨年大会は、パー70の設定に対して73ー75ー68ー71の通算7オーバーで、57位タイ。
「アンダーパーが1ラウンドしかなかったので。今年は毎日アンダーパーで回りたい」と、雪辱を期して来た。
今季は4月の「関西オープン」でまず今季1勝を飾ると、6月の「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」の初タイトルで、今大会の出場権を獲得。
そして9月、韓国とアジアと日本の3共催「Shinhan Donghae Open」は「日本で開催される大会で、日本を代表するつもりで頑張りたい」と、有限実行Vを挙げたが今回は、世界最強ツアーの“米共催”。
「今週も強い気持ちで臨みたいですが、フィールドの選手を見るとなかなか…。リードしていく、とは言えないのが正直なところ」と、苦笑しながら「日本で開催される以上、JGTOの選手たちのレベルが上がった、というところをアピールできれば。その中でも賞金1位としてリードしていける存在になれればな、と思っています」と、精一杯の自覚を示した。
昨年の最終日は自身の結果に落胆しながら、大学先輩を祝福。
18番グリーンで松山英樹を出迎え、ピンそばのイーグル決着に度肝を抜いた。
その偉大さは今さら言うまでもなく、今年は連覇をかけて日本に戻った先輩から、「優勝おめでとう」などと、お祝い返しを受けて感激。
「日本の試合も見てくれているんだ、と思うと気が引き締まります」。
総距離7000ヤードを越える米ツアーのセッティングは、600ヤード超の14番パー5や、505ヤードの4番のほかにも490ヤード前後のパー4が4つも。
「正直しんどい…」と、つい苦笑が漏れたが今週は、4番アイアンのかわりに4番ユーティリティを投入し「高さで止める」と、道具で補い小技で挽回する作戦。
今年は初メジャーの7月「全英オープン」を含む海外3戦を経験し、「アプローチのバリエーションが増えた。難しい状況からでも寄せられるようになったことで攻めていけるようになりました」と、JGTOの賞金1位は成長著しい。
「一緒に回る米ツアー選手が凄い飛ばすと思うので、自分も振りたくなりますが、つられず、自分のゴルフを貫ければ」。
今年は堂々と、結果を求めて習志野をゆく。