同い年で、幼馴なじみの大西魁斗(おおにし・かいと)と、桂川有人(かつらがわ・ゆうと)だ。
今年からZOZO所属のホストプロとして米デビュー戦を飾った大西は、9歳で渡米。
南カリフォルニア大学時に学生選抜のオールアメリカンで活躍した経歴を持ち、本会場ではコリン・モリカワや、新鋭のサヒス・ティーガラなどかつての戦友と、再会を喜び合っていた。
一方、桂川が韓国出身のトム・キムと出会ったのは、高校3年間を過ごしたフィリピン留学時代。
同じマニラのサウスウッズGCで練習し、年2回のペースで行われていたクラブ対抗戦ではチームを組むたび優勝に貢献。
「なんか、2人で勝ちまくっていましたね」と、懐かしく思い出す。
かつてのチームメイトが、初出場の日米共催試合でホヤホヤのビッグニュースを持ってきた。
キムが先週のPGAツアー「シュライナーズチルドレンズオープン」で2勝目を達成。
21歳の誕生日前にPGAツアー2勝を飾るのは、タイガー・ウッズ以来だそうだ。
「もちろん刺激になりますし、一緒に頑張っていた仲間が出来るなら、僕にも出来るんじゃないか、と思わせてくれますね」と、親友の快挙を喜ぶ桂川は本大会直前に、自身も世界への挑戦を決断した。
先週までのJGTO賞金5位以上の選手には、米二部ツアーのファイナルQスクールの出場資格が発生する。
2位をキープした桂川は「賞金ランキングが確定した時点で決めました」と、エントリーを済ませた直後の本大会は、何よりの力試しとなった。
7000ヤード超の長距離コースも「ショットが得意なので、意外と大丈夫でした」と、苦にもせず、最終日もひょうひょうと、4日間自己ベストの「67」を記録。
「自分も戦えそうな感触がありました」と、手応えを得た。
桂川がキムと久々に再会を果たした今年1月の「SMBCシンガポールオープン」では、共に2位タイ。
この資格でメジャー初出場を果たした7月の「全英オープン」ではまた47位タイで同スコア。
「なぜかずっと一緒なんです」と可笑しそうに笑っていたが、今回は通算3アンダーの59位タイだった桂川に対して、通算6アンダーの25位タイにつけた「トムくん」の勝ち。
「僕は英語が下手なので。あんまり自分から話題を作るのは難しい」と、恐縮していたが、会場で顔を合わせれば「今日どうだった?」などと、普通に会話を交わす様子が頼もしかった。
キムに続くユウトのサクセス物語も楽しみだ。