Tournament article
seven dreamers challenge in Yonehara GC 2015
自分を見失わないことが金子敬一の強さに繋がっている
この数字は現在、チャレンジ賞金ランキングで3位に付けている金子敬一の優勝確率の数字である。
今季6試合に参戦して、実に2勝。何かが覚醒し、ゴルフが大きく変わったのではないか…と思うのは、誰の目から見ても明らかだ。
だが、当の本人にこの質問をぶつけてみると、何とも拍子抜けともいえる答えが返ってきたのである。
“ゴルフなんて、何にも変わってないんですよ。強いて言うならゴルフの調子が悪くなったくらいで…”と笑いながらの第一声。
とはいえ、フロックではこの短期間に2勝目などないし、少しでも変化したことはないかと聞き出してみると…。
“周りの目が変わってきたのは自分でも感じています”とのこと。
だが、詳しく話を進めていくとまたも話はあらぬ方向に。
“今まで疎遠だった友人から、急に連絡が入ってきたり、あとは飲み会が増えましたね”と話が再び逸れてしまう始末。
無理矢理にでもゴルフの方へ話を振ってみても“ゴルフに対する自信も出てきているのではないか…って、色々な人からも言われるんですけど、正直、自分の中では何も変わっていないので、調子がいいという感覚も実感はまったくないんですよ。本当に困ったものです”
だが、この飄々とした“金子らしさ”が、度胸の良さとして表れたのが、『HEIWA・PGM ChallengeⅡin霞ヶ浦〜Road to CHAMPIONSHIP』の優勝で出場権を得た『ダンロップ・スリクソン福島オープン』での出来事。
“レギュラートーナメントは、ギャラリーも多く、そんな中でプレーするなんて、絶対に緊張する…って、初日を迎えるまでは思っていたんですけど、いざ、大勢のギャラリーの中でプレーしてみると“ナイスショット”の声が心地よかったですし、気持ちがいいんですよ。だから、レギュラーを舞台に戦っていきたいなぁ…って、少し思えているんです”
そんな来季に向けて、残り4戦となったチャレンジトーナメントでは、どのような戦い方が必要と感じているのだろうか?
“私は、出場する試合は、いつも目標が予選通過なので、これからの残りの試合もその目標に変わりはないですよ。明日かも同じ気持ちでプレーしますし、もっと力強い言葉を期待していたかもしれませんけど、これが自分のゴルフなので、それを変えようとは思っていません”
欲張ることなく、自分の姿勢を崩さない。一見、飄々と見える金子の表情ではあるが、それこそが自分を見失わないことで生まれている強さであり、3割3分3厘という優勝の勝率に繋がっているのかもしれない。
金子らしさが発揮される初日の戦いが、明日、幕を開けようとしている。