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東建ホームメイトカップ 2016
首位タイは同い年で同郷のこの2人
入れ違いで、呼ばれたインタビュールーム。
「あいつは昔から上手かった。今日は良いセーブをしていたし」と、永野が言ったとおりに重永は、ショットの不振を得意のパットで補った。昨季は首や左腕など故障が立て続いて、負担のかからないスイングに変えたが、それがしっくり来ていない。
「本当は元に戻したいけど」。一度ついてしまった感覚は、容易には戻らない。前半は15番からの4連続バーディも、「たまたまですよ」と、いたってクールなのもそのためだ。
「ショットが病気じゃないかというくらい、右に左に。その中で上出来です」。かたわらの永野にも「伸ばしたければどうぞ」と、張り合うでもなく「俺からすると、竜太郎は同級生の中でも頭ひとつ、・・・いやふたつは抜けていた」。
難病指定の潰瘍性大腸炎を持ち、食べても食べても太れず、年中ひょろりと細い重永に比べて、体格にも恵まれている。「昔は竜太郎に、ドライバーで100ヤード近くは置いて行かれた」。
重永がまだツアーに出られない時代も、早々に活躍していた永野。
初日の結果は同じでも、「いちプレーヤーとして凄い選手」と、重永も一目置いた存在だ。
初Vがもっとも待たれる選手の一人である。本人も、まずはツアーで1勝と、今年もそのための準備にぬかりのない永野。
「このオフは熊本にも、2週間もいなかった」。
シーズン初戦のSMBCシンガポールオープンを皮切りに、続くミャンマーからニュージーランドに渡り、調整を重ねてきた。
海外勢にもひけを取らないポテンシャルの持ち主だ。シンガポールでは、招待選手だったジョーダン・スピースに刺激を受けるなど、「どれでもいい。自分もメジャーに出てみたい。“化け物”みたいな選手が一杯いる中で、自分がどういうプレーが出来るのか」。
3月には、「BMW ISPS HANDAニュージーランドオープン」に挑戦して16位につけた。
重永は、積極的に海外に飛び出す永野とはこれまた対照的だ。もっぱら地元に腰を据えて調整を重ねる一番の理由は「休みは家族と一緒にいたいから」。今年は、谷口徹や谷原秀人に合宿に誘われて、5日間ほど宮崎で過ごしたが、それさえも家族連れ。
「行くなら一緒に。いつも家族と行動したいんです。寂しがり屋だから」と、笑ったアトムもまた、初優勝が待たれる一人だ。
スコアでは並んでも、それぞれの春。辿る道筋は違っても、まずは今週、目指すべき所は同じだ。