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ZOZO CHAMPIONSHIP

最終ホールで松山とニアミス。杉浦悠太が6位の大健闘

23歳の快進撃で、最終ホールが一時カオスに。

杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)は、前の17番で10メートル近くもあるバーディパットをねじ込み、気合が入っていた。
「たくさんの方が見ていてくれたので、嬉しくて」と、普段見せないガッツポーズをしたくらいだ。


    「最後もバーディが獲りたい」と、臨んだパー5の第1打はしかし左の林へ。
    「その時点で、しっかりパーが獲れるように」とすぐ切り替え、3打目が200ヤードも残る18番フェアウェイより、150ヤード前後で済む隣の9番ホールに出すことを即断。

    ただ、そこではちょうど裏街道から出た松山英樹が最終ホールをプレー中。

    あっという間に大観衆に紛れた。
    松山の組が2打目を打ち終えるまで待つことになった。
    杉浦も一時、ロープ際まで退散した。

    「ギャラリーがやっぱり凄いな~と思って。僕も一緒にギャラリーになっていましたw」。と、大勢のお客さんに紛れてちんまりしていた。



    待つこと10分ほど。
    ようやく視界が開けた9番ホールの左のラフから160ヤードの第3打は「木も関係なく、9番アイアンで落ち着いて打てた」と、グリーン奥の少しこぼれたところまで運んで寄せワンのパーセーブ。

    通算10アンダーで6位タイに踏みとどまれた。

    一連のトラブルで大渋滞が起きて、同組のスポーンとパワーはグリーン上で、後続の桂川らはフェアウェイ上で、かなり待たせることになったが、みな「気にするな」と、快く言ってくれたそうだ。

      待たせてごめんね、って言いました

        「良かったです」と、安堵も倍に。

        7月の「日本プロ」で通算2勝目を飾ったあと右肘を痛めてしばらく試合に出られなかった。
        「焦りはありましたが、こういう形で復活できたことは自信になります」。
        初出場のPGAツアーで願ってもない選択肢を得た。

        PGAツアーの広報によると、次戦の「ワールドワイドテクノロジー選手権」に関しては、即出場権ではなく、欠場で降りてきた際のウェイティング1番のカテゴリーを与えるとのことだが、「99%大丈夫」とのこと。

        でも「トップ10に入りたいとは思っていましたけど、その先のことまでは考えていなかった」と、プレー直後の出場意思は明言を避けた。

        現在、賞金ランキングは6位。
        昨年11月の「ダンロップフェニックス」でアマVを達成したその場でプロ転向を表明した時から、今季の賞金王獲りを目標に掲げており、大事な終盤戦に穴を空けることには慎重だ。

        「でも、せっかく自分で手に入れた権利なので出たいな、とは思います」。
        贅沢な悩みでしばらく頭がいっぱいだ。

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