Tournament article

長嶋茂雄 INVITATIONALセガサミーカップ 2016

今季の新顔! 北川祐生(ゆうき)が中尺パターで9位タイ

やっぱり、頼みの杖は手放してはいけなかった。今日はショット写真しかないのが申し訳ないが、パットの復調が好スタートを呼び込んだ。

昨季のファイナルQTランク32位で、初の本格参戦を果たした今季はクラブの一部を体につけて、支点を作ってストロークするいわゆる“アンカリング”の禁止の施行元年でもある。

新ルールの施行を受けて今年、一度は手放した中尺パターは、高校時代からのつきあいだった。まだ若いのに、イップスにかかった北川はジュニアの2日間競技で「54、56の110パットを打った」。その足で、立ち寄った中古ショップで仕入れた愛用の品を今季、短いパターに持ち替えるなり周囲にもそれと分かるほど、不振をきわめて再びバッグへ。

万一、体についてしまう危険を避けるために、シャフトを2インチ短くして再投入して、ひと心地がついた。この日は15番から3連続バーディを奪うなど、9位タイで初日を飛び出した。

初めてクラブを握ったのは、9歳のとき。練習場にいくお父さんについて遊ぶ中で、ゴルフの楽しさを覚えた。「小さいころから運動音痴。野球もだめ、サッカーをやってもダメ」と唯一、長続きしたのがゴルフだった。

「“音痴”でもゴルフだけはきわめてみたい」と、高校卒業と同時に研修生になった茨城県の取手国際ゴルフ倶楽部は今の所属コースでもある。

昨年のチャレンジトーナメントは2999円差で“賞金王”に輝いた森本雄と、同2位の秋吉翔太はジュニア時代からの大親友である。
「あの2人の活躍があったから、自分も頑張れたと思う」。
また、年代はかぶっていないが、池田勇太は千葉学芸高校で、5学年上。顔を合わせれば、頑張れよと声をかけてくれる先輩や、同期の存在を何よりの励みに「明日も、自分のゴルフがしたい」。
再び握りしめた馴染みの杖を頼りに、さらなる浮上を狙う。

関連記事