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〜全英への道〜 ミズノオープン 2016
イメチェンの金庚泰 (キムキョンテ)がまたV争い
「嫁の紹介でした」。さっぱりと短髪に、約2年ぶりのカラーリングは、ちょっぴり明るめのアッシュブラウン。こちらも「嫁に勧められた」と、言われるがままにイメチェンの鬼が、再び戻ってきた日本で今週もまた優勝争いをしている。
左腰が痛い。2週前は、股関節から膝辺りまで、痛みがあった。日本ツアーが2週間の空き週に入る直前。中日クラウンズで早々と今季2勝目を飾った直後は、すぐ翌週に、韓国ツアー2戦を控えていたが「しばらく、休んだほうがいいと思うんです」。
欠場をほのめかしながら、やっぱり試合会場にいてV争いをしていた。
先週の「SKテレコムオープン」は、後輩の李尚熹 (イサンヒ)に勝ちこそ譲ったが、最後まで競って2位に入った。
結局、試合に出てしまった影響で、今週もまた「腰が痛い」と訴えて、「練習は控えめにして、マイペースでやります」と言いながら、この日は64をマーク。
そんな賞金王と予選2日間を同組で回った昨年覇者。手嶋多一も「いやあ〜たまらん。キョンテはレベルが違う」と、ベテランをも唸らせる2位に3打差の単独首位で、今週もまたさらりとV争いに加わった。
自身3度目、2年連続の賞金王にむけて、序盤からハイペースで結果を出すには、理由がある。次週は、「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」に出たあと、しばらく日本ツアーを留守にする。
現在、世界ランクの42位は、このあと全米オープンも、全英オープンと合わせて、その間の世界ゴルフ選手権「ブリヂストン招待」も、今季メジャー最終戦は8月の「全米プロ」にも出られる見込み。出る試合、どれも勝ってしまいそうな勢いの、今が一気に稼ぎどきを逃さない。
2010年に初の賞金王に輝いたあと、深刻なスランプを味わって、学んだ。それまで順風満帆なゴルフ人生も、「スポーツ選手には、必ず悪い時期というものが来るものだ、と」。だから、調子が良いときこそ、力を緩めてはいけない、と。「良いときこそ、一生懸命にやらないといけない」。絶頂期こそ、慢心しないと心に決めた。鬼の強さはいままさに、ピークを迎えているようだ。