Tournament article
HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2016
谷原秀人は黒田さんの生き様に触発されて
調子は良くない。この日は9番から4連続バーディを奪っても、「ショットはまだまだ時間がかかりそう」と、本調子というのは程遠くても執念で追いつき、「形としては、最高じゃないですか?」。
池田との賞金レースも、ファンと一緒に盛り上がってこそ。
「ギャラリーや、支えてくれる人たちを喜ばせるプレーがしたい」と、ショットの不振に盛り下がりがちなテンションも、そう思って懸命にあげてきた。
前夜はこのほど、広島カープの25年ぶりのリーグ優勝で、有終の美を飾った黒田博弘樹投手の特集番組を見た。
2014年には、メジャーリーグから、古巣の広島との再契約は「男気復帰」とも言われてその生き様は、谷原にはわかっていたつもりでも、改めて見たアーカイブに「すごいな、本当にこんな人がいるのか、と」。
アスリートの枠だけにとどまらず、一人の人間としても、「すごいな、と。それを考えたら自分は何もできていない、と。人間的にももっと、よくならないといけない」と、考えさせられたという。
「黒田さんは小さいころ、野球が嫌いだったんだって。それならなんのためにやっていたんだろう、と。ファンや支えてくれる人のためにやっていたんだな、と。誰かのためにあそこまでやれるのもすごい」。
深く感動した。
「黒田さんのテレビを見て、俺ももうちょっと頑張ってみようかな、と思った」と奮起した谷原は、ゴルフの状態は、悪いながらも踏ん張った。
賞金1位の池田と3日目の最終組にこぎつけて、「悪いながらも、ファンや支えてくださる方によいところを見てもらえるように頑張る」。理想のヒーロー像を胸に、後輩の賞金1位に立ち向かう。