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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2016

イギリス帰りのホストプロ! 塚田陽亮(つかだようすけ)は「いい経験で終らせない」

先週の全英オープンでは、珍しくセーターを着込んでプレーした。「あまり長袖を着ない陽亮が着てるってことは、相当寒いんだね、と。みんなに言われた」。真夏の日本とあまりの寒暖差に、風邪をひいて帰ってきた。

帰国したばかりの前日火曜日は、夜中3時に目が覚めた。
時差ボケの夜は3週前に、6月の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」でツアー初Vを達成した際に権利を得たWGC「ブリヂストン招待」に向けて発つ直前に、購入した「ファミスタ※」が、これまた良い時間つぶしになってくれた。

真ん中に日本プロを挟んで過密な海外遠征は、「自分をよく知れた3週間になった」という。
「日本では自分がセカンドオナーになることなんて、めったにないけれど」。

日本では、自慢の飛距離も向こうでは、ドライビングディスタンスもごく平凡な記録であると身にしみた。

「自分が“今日一”を打っても、まだ20、30ヤードは置いて行かれる」。その分、曲がり幅もハンパではないが、「飛ばした上で、曲げているので彼らはそこから平気でパーも獲る」。

どんなに曲がっても、気に病むそぶりも見せず、「ハハハと笑い飛ばして、だから何?と。みんな楽しんでやっている。すべてにおいて、スケールがデカくて気持ちの切り替え方もハンパない」とそのあたりはお国柄で、帰ってきても取り入れるわけにはいかなくても「自分なりの気持ちの発散の仕方とか。あとは自分の小技のヘタさとか」。考えさせられることばかりだった。

今週は、スリクソン所属のホストプロ。リンクスコースから、いきなり灼熱の福島にやってきて「時差ボケと、今週は暑さと、疲れもあって。運がない」。

大事なスポンサーが主催する大会で、「最大限のことをしたい気持ちはある」とはいっても、万全の態勢とはとても言いがたい今の状況は残念だが、せっかく海外で得てきたばかりの感覚を「いい経験だけで終わらせないように。生かせるようにしないといけない」。
培ってきたものを、恩人の前で披露したい。

※ファミスタ…バンダイナムコ社の家庭用コンピューター用野球ゲームのこと。

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