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ISPSハンダグローバルカップ 2016

池田勇太は「明日は割り込む」

前半こそ強い風に惑わされて「耐え耐え」と、我慢のゴルフで後半は尻上がりにスコアを上げてきた。「今日は3日間で一番ショットが良かった」と、13番から4つのバーディで、池田がV争いに望みをつないだ。

「今日は一番、よく体が動いてくれた」。
先週の全米オープンから帰ったばかり。「昨日まで全然、振れていなかったと分かった」。時差ボケで、何度も夜中に目が覚めて、疲れもあったと思う。
「でも今日は一番楽だった」と、池田ならではの対策が奏功した。

変な時間に襲ってくる睡魔に打ち克つために、前夜は早々と5時からチビチビと、酒を呑みだし「6時からゆっくりご飯を食べて」。9時に宿に帰ってもまだ粘った。仕込んできたビールで「珍しく、部屋呑みした」。

引っ張って引っ張って、ようやく就寝したのが10時過ぎ。
「夜中2時に一度、起きたけど6時くらいまでぐっすり寝れた」。
海外勢がひしめく最終日に向けて、良い形で帳尻を合わせて来られた。

為替投資家である池田にとってはイギリスのEU離脱もそうだが、それ以上にいま気になるのはリオ五輪のこと。
来月11日の世界ランキングの上位2人に決まる代表候補で目下、松山に次いで2番手につける。シュワーツェルをはじめ、世界ランカーが集う今大会で結果を出せれば、よりその地位は不動のものとなる。

いま、各国の代表が出場を辞退するニュースが続いている中で、池田は首をかしげる。「俺は、出たいけどね」。自身は出場を熱望する一方で、回避する選手たちの気持ちも理解出来る。
「選考の仕方とか、競技方法だとか、みんなをもっと熱くさせるようなものであると、みんなも母国のために、出ようという気持ちになるんじゃないのかなあ」。

元選手会長は、状況がどうであれ今週も国旗を背負う気持ちで満タンだ。「トップとは離れてしまったけれど、明日も自分の最善を尽くして一つでも上に。バーディを一杯獲って割り込みます」。
ニッポン男児の誇りを見せたい。

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