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レオパレス21ミャンマーオープン 2016

永野竜太郎も、もっと世界へ!

風を読むために掴んだ芝も、びゅっと真横に飛んでいく。最終日は今週一番の強風の中、8位タイで踏ん張った
最終日は出だしの1番で「1メートルちょっと」の絶好のチャンスを外した。16番では3パットのボギーもあった。最終日は今週、一番の風が吹く難条件とはいえ、「もう少し伸ばせたと思う。60台を出したかった」。

日本の大手不動産「レオパレス21」のタイトルスポンサーを受けて、3年ぶりに復活した14回大会は、アジアと日本の共同主管競技で競われたが、日本ツアーはオフの真っ只中にあり、「調整不足」を口にする選手もいる。

本人も例外なくそれを自覚しながらしかし、永野は思う。「たとえばアジアには、調整不足を理由にする選手がいるだろうか」。戦いの場に来て、そんなことを言っている場合だろうか。
そもそも、だ。「調整してこなかった選手が悪いのであって、複数年シードを持っている選手はそれでも済むかも知れないけれど、僕らのような選手は、逆にそういうところでチャンスを作っていかなければいけないのではないか」。

そういう意味でもまだまだ実力不足を痛感しながらも、永野は先週のシンガポールとミャンマーと、2週続きでいまこうしてレベルの差を実感し、世界の現実を見られたことに感謝している。

先週は、世界1位のジョーダン・スピースと同じ舞台で戦って、「僕は練習場でしか、彼のゴルフを見ることは出来なかったけれど。彼は前週は、アブダビからその足で来て、ああやってポンと優勝争いをする力がある」。
ショットの迫力とか飛距離とか、そういうのはタイガー・ウッズのほうがよほど凄かった。「練習場で見ていると、それほど凄い球を打っているようには見えない。それでも、どのコースでもちゃんと合わせて上にくる」。
適応能力の高さ。1打1打の精度の高さ。功名なパッティング。そのどれひとつとして欠くことのない技術力で、世界一までのぼりつめた。
その凄みを同じ舞台で肌身に感じられたのは、寒い日本を飛び出してきたからこそ味わえた貴重な経験である。
「日本だけでやっていては、分からないこと。これからももっともっと、行けるときに海外に行っておきたい」。27歳の視線を外に向けさせるにも十分な、充実した2週間になった。

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