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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ ダイヤモンドカップゴルフ 2017
激動のこの半年を一気に払拭したい! 高山忠洋が62
深いラフに、うねるグリーンは5番のパー3のバーディトライもあえてパターでいったんグリーンから出してエッジを通過させて、カップに寄せたほど。
まだまだ手探りの初日になぜかいきなり9アンダーを出して「自分でもびっくりしています」と、自分が一番目を剥いた。
「1番のOKバーディから始まって、波に乗ったがまさか10バーディ獲れるとは思わなかった」と、5メートル以内のチャンスはほぼ外さず最後の18番も、奥のラフからピンまで距離のないアプローチも上手く寄せた。1メートルのバーディパットを沈めてロケットダッシュに成功した。
2週前のISPSハンダマッチプレー選手権で今季ベストの3位に入って人心地つくまでは、「激動の半年だった」。
今季海外初戦の「SMBCシンガポールオープン」は左太もも付け根の肉離れから始まり、2戦目の「レオパレス21ミャンマーオープン」では発熱44.4度の食当たり。
5月。「溺愛する」長女の夏実ちゃんからマイコプラズマ肺炎をもらい、回復まで長くかかった。
月末のミズノオープンでは、途中棄権。国内開幕戦が始まるまさに直前の日曜日に痛めてから続く痛みは今もまだ用心が続いており、先週は思い切って完全休養に充てた。
「1週間、治療に当てたのは大きかった」と今季から帯同する塚田昇起さんにも、感謝しきりだ。
「僕の注文を、すべて受け入れてくれる人」というその献身ぶりは、たとえば日頃のケアも「僕は、かなり体重を乗っけてもらわないと満足できない。塚田さんは僕よりも痩せているから、10キロ増やして欲しい」と無茶な要求にも実直に、現在は5キロ増。
75キロの体ごとでぐいぐいと、指圧の要となる親指も「変形して、しわも無くなるくらい」と、頭も下がる思いだ。
スタート前後のケアも完璧だ。
「朝は誰よりも早く来て、誰よりも遅く帰る」と、7時20分からコースに出たこの日も早朝5時にロッカー集合。
「本当によくしてもらって助かっています」。
さっそくロケットダッシュで、日頃の恩に報いたが、不運続きの今季序盤を完全払拭するにはここからが本番。
ゴルフも人生に似て、逆にまた良いことばかりが続くとは限らず爆発的スコアを出した翌日は、伸び悩むとは選手間でも定説で「明日大丈夫かな」と、本人も反動を気にしながら「このまま首位で終わりたい気持ちが沸いてきた。行けるところまで行きたい」。
アクセルを踏むも踏まないも、自分の心ひとつだ。