Tournament article
ダンロップフェニックストーナメント 2017
松山英樹はジャンボの期待に見合ったゴルフを
「1アンダー、1アンダーじゃねえか。大したことねえな」。
ボケているのではない。大まじめに言っている。
フェニックスカントリークラブはパー71のセッティングだが、世界で戦う松山には「68」の計算じゃないのか、と。だから、この2日は一つずつしかスコアを縮められていない、と松山はたしなめられたわけだ。
言われるまでもなく、本人も自覚をしていた。「それは自分自身が一番、感じているんですけどまだまだ、ジャンボさんを驚かすようなプレーじゃなかった」。
この日6つのバーディも、計測中のドライビングディスタンスで2日間平均304ヤードで1位を記録しても、どんなに飛ばして大ギャラリーを驚かせても自身、納得できる内容は数えるほどもなかった。
フェアウェイセンターから残り80ヤードもなかった16番のティショットと、長いバーディトライを読み切った17番のパッティング。この日唯一のガッツポーズが示したとおりに、「あのホールは嬉しかったですけど、今日良かったのはそれくらい」と憮然と、「あとは、全部悪かった。スコアは良くても内容には全然満足出来ない。ミスも幅に収まってきて、良くなってきたかなとは思うが、全く(ダメ)です」。
予選落ちを喫したジャンボが去り際に、残した言葉も世界4位をあおった。
来年以降の現役続行を明言して「ヒデキのゴルフを見て少しでも飛距離を近づけようと。そういう努力が必要だ」と、70歳にむしろ活力を与えてしまったことにも反省しきりだ。
「ジャンボさんに、刺激を与えている場合じゃない。“引退を”・・・くらいのゴルフをしなければいけなかった」と冗談交じりで強い言葉を使ったのは、ツアー通算94勝の溢れんばかりの期待を、察したからこそ。4年ぶりの同組で、ジャンボに引導を渡すくらいに強烈なゴルフを見せられなかったことが、松山には悔しかった。
この日のジャンボは松山も、つい張り合うほどにドライバーが飛んでいた。あえて憎まれ口をききながらも、最後は「振れていたといっても、ヒデキにあんなに置いていかれた」と嘆いていたジャンボ。いくつになっても底抜けの負けん気にも、応えたい。
1打差の首位にはケプカ。1打差の4位には、16-17年の米新人王のシャウフェレも控える。「稲森くんと、武藤さんが近いところにいるけど、それ以外は外人選手なので。負けないように頑張らないといけない」。
大会は2年ぶりに帰ってきたホストプロは、3年ぶり2度目のホストVしか見ていない。