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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2017

夢は焼き鳥屋の店主?! 久保谷健一の目標は

この人は、相変わらずある日突然、覚醒する。そして、いつものようにボヤキ出す。30人しか出られない、この最強選手決定戦。
5年ぶりに出てきたのも、今年4月のパナソニックオープンで、それまで3年も賞金シードがなかったのにある日、突然勝ったからだし、そのあとは、夏場に持病の腰痛を再発して棄権と予選落ちを繰り返していて、いよいよ今年もあと1日というときになって、またこうして突然、爆発をした。

その第一声が「たまたまです。どうやって球に当てるか。今日もそればっかり考えてやりました」。
前半は出だしから3つのバーディを奪った。
541ヤードの6番パー5で、260ヤードの2打目を3Wでピンそばにつけて、イーグルを奪っても「みんなアイアンなのに。フェアウェイからスプーンを持つ人なんて僕しかいない。気持ち悪いけど当たらないから仕方ない」。

自虐は止まらず、5年ぶりの舞台も月曜から入って球を打っても「解決策が見つからない」と、嘆き節も止まらず「僕のは試合じゃない。どういうふうに攻めて組み立てるというより、どういう風に当てるか。スコア以前の問題です」。

そんな中でもひとつ自慢といったら、どんなに腰が痛くても、思うように行かなくても練習の虫は変わらないこと。
「痛くても、やっちゃう。腰が痛い時期は痛くならない打ち方を、研究してた」。
鍛錬に鍛錬を重ねても「まだまだかかる」と、クビをひねり続ける。
「言ってる間に50歳になってしまいますけど、いまだにゴルフは分からない」と、45歳はこの日もまっすぐ練習場に向かって、冬空の下で悩み続けた。

いずれ来たるべき引退後の人生の夢は「焼き鳥焼きたい」。要は、何か店を営みながら、気心知れた客とカウンターで呑みかわす。そんな隠居生活が理想なんだそうだ。
「焼き鳥じゃなくて、焼き肉でもいいんですけど。焼き肉だとお客さんと呑みながらっていうのは難しいよね?」とこの人はどこまでが冗談で、本気なんだか・・・。

5年ぶりにこぎ着けた今大会での目標は、クラブハウス前のJTブースの自筆の寄せ書きにも書いてある。
「優勝? そんなことは考えてもいないので。心配しないで」と、そこはきっちり否定をするのも忘れず「今週はアンダーパーを、1回でも出したいと思っていたので。今日は良かったですけど明日叩いてしまうと今日が活きない。明日もアンダーパーで回れれば」。
今年も1年、戦い終えたらオフは「犬とたわむれる」。
ぴりぴりの賞金レースも真っ只中で、マイワールド全開のベテランが、今年最後にまた驚かせてくれるか。

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