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〜全英への道〜 ミズノオープン 2017

優作は妹さんの引退発表の翌日に

衝撃は、あれから1日経てもまだ続いていた。それでも兄として、何より選手会長として、開催中の今大会や関係各位に出来るだけ、迷惑のかからない形をと、気を遣った。

宮里が妹の藍さんの引退について口を開いたのは発表があった翌日の27日土曜日だった。
いつも、スタートの2時間前には会場入りする。
そこから準備を始める前に、ひっそりと報道陣の質問に答えるつもりだったが、満席の会見場にはテレビカメラが3台も待ち受け「こんな朝早くから、申し訳ありません」。
頭を下げながら、部屋に入ってきた宮里。

兄が揺るがぬ藍さんの決意を聞いたのは、正月。父母は、すでに知っていたはずだが「お兄ちゃんに直接話したい」と、切り出されて「今年で引退する」。
きっぱり言った藍さんの表情は「解放されたように、凄く明るかった」という。

「理由は、あまり詳しくは突っ込まなかった。ただ家族みんなで言ったのは“今までよく頑張ったね”と。

“残りの試合で勝って終わりたいね”と」そんなふうに声をかけたという。

引退後の展望は、また本人の口から語られるだろう。
プロゴルファーからは身を引くが、藍さんの人生はこれからだ。
「彼女は宮里家のシンボル。僕は、宮里藍のファンなので。引退してもファンであり続けるのは変わらない。家族は悲観するというより“また新しい人生を一緒に頑張っていこうね”と話した」。

宮里家には激動の年始を改めて振りながらコースに出ていった宮里は強い風の中でも、「藍ちゃんなら、スピン少ないから、楽だろうな」と、ちらりと妹のことを考えたりした。
ラウンド中にも「藍ちゃん、お疲れ様」「藍ちゃんによろしく」なとど、ギャラリーから声をかけられ改めてその存在の大きさを、感じたりもした。

後半、ボギーが立て続いたが上がりの連続バーディで「首の皮1枚つながった」。
2週前には沖縄で行われた日本プロで、すでに強い決意を固めていた妹の前で「いいところを見せられたらという気持ちはあった」。
藍さんを喜ばせた2試合連続の地元Vを契機に、現在、賞金ランクは1位。
同時に、次週までの上位2人が権利を得られる全英オープン日本予選ランキングでも1位を走り、「出来れば今週、決めたい」。

今週月曜日には、プレーオフ8ホールを合わせて1日44ホールを制して全米オープンの出場権を獲得している。この勢いで、一気に2枚目のメジャー切符を妹に報告する。


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