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SMBCシンガポールオープン 2017
第2ラウンドが終了、ゲームはいよいよ決勝ラウンドへ
塚田陽亮(つかだようすけ)は、極度の緊張状態で18番ホールにいた。通算スコアは1オーバー。カットライン上から打つ、グリーン右からの4打目に、手が震えた。
日没による競技中断は、知らせるフォンが鳴る前にティショットを打ち終わっていた場合は、当該ホールに限ってホールアウトが出来る。
「出来ることなら自分も昨日のうちに終わりたかった」。
慌てたわけではないが、昨日は前半で通算3アンダーまで伸ばしながら、「後半にばたばたした」と、やにわに迎えた予選落ちの危機に、それでも最後まで終わりたいのと、予選通過をしたいのと。
3打目はすぐグリーン右そばからのアプローチ。ホールアウトはもう目前。
「でもあたりはもう、見えづらくなっていて・・・チャックリをした」。
熱帯の芝をわずかにガサガサ言わせただけで、球はほとんど前に転がらなかった。
グリーンにも乗らず、やにわにボギーのピンチに「やっぱり、明日にしよう」と、同組マーカーのシーブ・カプールとは意見が一致して、もうひとりのクロンパはプレーを終えて引き上げたのだが、2人は互いにあとわずか数打もあえていったん翌日に持ち越すことにした。
それにしても、再開直後の4打目のアプローチがまたしても寄り切らず、1.5メートルほど残った時には泡を食ったものだ。慎重にラインを読んで、それでも心が決まらず「本当に緊張した」。
そのプレッシャーは、ひょっとしたら、昨年ツアー初優勝を制した日本ゴルフツアー選手権の最終ホールに匹敵するかもしれない。
懸命に心を落ち着け、いったん仕切り直したパーパットを入れることが出来て本当に良かった。
飛行機の時間はいまさら替えがきかないし、次のミャンマーまで、働かずにシンガポールで過ごすのは嫌だった。
「ここまで頑張ったのに、ここで予選落ちなんて絶対に嫌だった」。
海外との共同主管の大会は、ツアーの開催国の規定に合わせるため、65位タイ(日本ツアーは60位タイ)のボーダー線上から浮上を期す週末。
続く第3ラウンドは、9時15分以降にスタートする予定だ。
「あまり時間がない。一度クラブハウスに戻ってまた準備してきます」。予選通過の安堵に浸る間もなく、慌ただしく決勝ラウンドを迎える。