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SMBCシンガポールオープン 2017
ヨンハンは史上2人目の快挙がかかる
今年51回を迎える長い歴史の中でも、連覇を達成しているのはただ一人、というのはこの日、庚泰(キョンテ)と臨んだ共同記者会見で、初めて聞いた。
2005年と06年と、2010年の大会覇者。豪州の雄、アダム・スコットは今年、新たな4勝目を狙って出場を表明した。
「知らなかった・・・。そうだったんですね」と、目を丸くした。勝てば史上2人目の快挙達成だ。
昨年覇者として迎える初めての大会で、そんな偉業もかかっていた。
昨年は、当時世界1位のジョーダン・スピースを破って、初優勝を飾った。「そのことで、海外の試合の出場経験が増えたり、今までにない経験が出来た」ととりまく環境は、劇的に変わった。
8月に挑戦した全米プロではそのスピースと、たまたまクラブハウスのロッカーが隣になり、「スピースとまた一緒に写真を撮った」と“自撮り大好きヨンハン”は、そんな希有な経験も、満喫している。
今まで以上に周囲の期待もひしひしと感じており、「プレッシャーももちろんあるけれど」。それすらも、丸ごと楽しむ。「緊張して良いことは何もないから。今週も普段通りに臨みます」と永漢(ヨンハン)。
昨年末からつかの間のオフも、スポンサーの挨拶回りなどに時間を取られてほとんど練習が出来なかった。今大会直前に、せめて天候には慣れておこうとタイで4日間のキャンプを張るので精一杯だったが、「今年は、日本の賞金王を狙って頑張りたい」。
そして、日本で2度の賞金王も静かに闘志を燃やしている。3月には、2人目の赤ちゃん誕生を心待ちにしている庚泰(キョンテ)。年末年始は、あえてクラブを置いて、家族サービスに明け暮れた。
「子どもがいることで、家で笑うことが増えた」とオフの子育てが、今は何よりのモチベーション。
「家にいるときは、う○ちも僕が替えますよ」とイクメンの鬼も、そろそろまた戦闘モードに戻るべく、庚泰(キョンテ)もタイで、2週間のキャンプを張ってからの現地入り。
今年こそ米ツアー進出を期して、今年もまた序盤から鬼になる。「去年みたいに日本で勝ってから、アメリカに行きたいので」。
効率よく稼いで、家族との時間も増やしたい。
シンガポールとミャンマーで連戦のあと、1週空けて、マレーシアに渡る。子煩悩な鬼は、今年も多忙な中でも出来るだけ合間を縫って家にも帰るつもりだ。
「子どもと遊ぶことで、リフレッシュ出来ることも多いので」。父性に目覚めてますます強くなる。