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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2018

体に注射18本。高山忠洋が執念のV争い

本来ならば、安静にしているのが一番の薬になるのだろう。「だけど家にこもっているばかりでは、上手くはなれない。試合勘も失われてしまう」。
執念の登板を果たした高山が2日間、7アンダーで回ってV争いだ。

持病がまた出たのは先月末。
2週前の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」は腰痛のため、初日で棄権。

やむなく名古屋の自宅に戻って、治療に奔走した。
「試合に出るためには手段を選ばない」と、ついに踏み切ったのは「筋膜リリース注射」だ。

「患部に直接、生理食塩水を注射する」というものだそうで「1回で18本。場所によっては痛いところもある」と、こらえてなんとか出場にこぎつけた。

2週間のオフは治療の合間に“副業”も、そつなくこなした。
6月8日〜10日に行われた「スターツシニア」は、開催コースのスターツ笠間ゴルフ俱楽部の所属プロとして毎年、テレビ解説をつとめる。
「シニアの方は打つのが早い。的確な情報と言葉のチョイスが求められる」と、発信力が磨かれる。
今年は大先輩の田中秀道が、ラウンドリポーターをつとめることが決まって「先輩が外を歩いて、僕は中で座って。すごく気を遣った。そこだけは嫌だった」と、その点では冷や汗をかいたが「また違う視点から、ゴルフを見させてもらって挑戦欲がかき立てられた」と7年ぶりのツアー通算6勝目の意欲がいっそう増した。

腰の状態は飲み薬も、座薬もどちらもまだ手放せないが、「せっかくここまで来て、途中で帰るわけにはいかない」。
週末は執念のV争いに挑む。

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