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日本オープンゴルフ選手権競技 2019

複雑怪奇な古賀の”うなぎライン”を攻略。1アンダーの池田勇太は及第点のスタート

今年のゴルファー日本一決定戦が始まった。第84回目は、福岡県の古賀ゴルフ・クラブが舞台。難コースで厳しい戦いを、強いられている選手たちはすでに初日から、疲労困憊。
14年(千葉CC)と、17年(岐阜関CC)の覇者で、ツアー通算21勝の池田勇太は「このコースは1ラウンドまわって、2ラウンド分疲れるからね」。

特にグリーンだ。
2番でピン右7メートルのバーディトライは見事に決めたが、「フックして、スライスして、登って下って…」。複雑怪奇なパットのラインに、フィジー人キャディのラジさんが隣で悲鳴をあげた。
「これはスネークラインじゃない! うなぎラインだ」。
傾斜が強くて、クネクネ曲がるパットのラインをヘビに例えるゴルフ用語は通例だが、うなぎを当てた例はなかなかレア。
「絶対に入らないと思って打ったら入ったからあそこはラッキーだった」。うなぎはつかみ損ねずに済んだが5番のバーディチャンスは3メートルと、入れ頃でも「入れに行ったらグリーンを出ちゃう」。
傾斜の頂上から奥の下りに向かって打つラインはそろりと、「バントで打つしかなかった」と、パーに収めるのが精いっぱい。

グリーン周りも厄介だ。
6番。148ヤードのパー3は第1打でグリーンを捕らえたが、平らな面までもう2ヤードほど足りずに、傾斜を転がり落ちてきた。右ラフから再度、ピンを狙った2打目はまた、同様にラフへ。
さらに3打目のアプローチは、クラブヘッドがボールの下をくぐる”だるま落とし”で再びラフにもぐるピンチ。
やっと乗った5打目は、ピンまで2メートル。
「良く入れられた。気持ちを切らさないで、入れられたのはデカかった」。
ダブルボギーは打ったが、こんなのまだ序の口だ。
初日から、2ラウンド分の疲労感を感じたという池田。
「4日間、8ラウンドくらいの気持ちですよ」と、今年のゴルファー日本一をかけたシビアな争いは、始まったばかり。
初日の1アンダーは「いいと思う。いい感じでゴルフができた」。まずは及第点の幕開けだ。

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