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三井住友VISA太平洋マスターズ 2019
アマを2差で追う池田勇太は「負けられない勝負」
「去年、今年とこうやってやれているのは不思議なもんで」と、昨年の7位タイに次いで、2年連続のV争いにはきょとんと「前は得意なコースではなかった」。
2年前に、改修が終了して難易度を増した御殿場に、頭をひねる選手が大半でも、池田は歓迎。
以前より格段に増えたバンカーや、その配置に「目標が明確に、ターゲットが絞りやすくなった」と、攻略がしやすくなった。
ところどころ、木々が伐採されたことで視界が開けて見えるようになったといい「以前は影がコースを暗く見せて、それも苦手だったが攻めやすくなった」と、3番パー5では272ヤードの2打目を、3Wで奥1.5メートルに乗っけてイーグルを奪うなど、この日66。
イーブンパーの初日から、ジワジワと伸ばしてきた。
今年は9月にコースで転倒して足にケガを負い、完治まで約1カ月と半。
「やっとここ3試合で痛みもなく、自分の中で、思うようなパフォーマンスを出せるようになってきたところ」。
6月のミズノオープンに次ぐ今季2勝目に向けて、ようやく心技体も揃ったところ。
「追いかける立場としては、もうひとつ、ふたつ、獲りたかった」と最後のチャンスホールの18番の2打目は、フェアウェイからでも、芝を張り替えたばかりの硬いライに、ヘッドが弾かれ池に向かって飛んだボールは、辛くも右のラフへ。
池越えの3打目は「ロブをするか、グリーンの傾斜を使うかふたつにひとつ。今日が最終日で、1差2差ならロブで行くべきところ。でも今時期のラフで下を抜けてしまったら、目の前の池に入るのは見えていた。まだそれをしに行くところではないのかな」と、ムービングデーの土曜日を加味して冷静に、気持ちを抑えた。
まずは無難にパーで上がって、2打差で立つ若きリーダーを、にらんだ。
3日目に首位に立ったのは、一昨年の日本オープンで、1差で封じたアマで、東北福祉大の後輩の金谷さん。
当時、最終日最終組の一騎打ちでも「プロのすごさを見せなきゃいけない」。
強い気持ちで封じたが、あの時と思いは同じ。
「プロとして、やっぱり負けられない勝負。優勝は譲らない」と、言い切った。