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長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2019
五輪、ZOZO、賞金王…。石川遼が連勝で広げた可能性
賞金ランクは2011年9月以来8年ぶりの1位に浮上。
主催者への挨拶のため、試合が終わってすぐに駆け込んだ役員室では五輪代表ヘッドコーチの丸山茂樹に「はっぱをかけられた」という。
この連勝で、10年ぶり2度目の賞金王や東京の日本代表の上位2枠、10月の日米共催&日本初開催の「ZOZO選手権」など、数々の可能性が一気に開けてきた。
今年は開幕時の腰痛で1カ月の戦線離脱もあり、7月の日本プロで3年ぶりの優勝を飾るまでは「出たい気持ちはあっても、まったく現実味はなかった」という。
「ヒデキとも、今までは一緒に回るのも恥ずかしいなという思いがあって」。世界を相手に戦う日本のエースにも引け目があったがこの連勝で、1年前にはなかった感情も沸いてきた。
「今はドライバーで、ヒデキとどれくらい違うのかとか、アイアンの精度はどうなんだろう、とか。正面からぶつかってみたい気持ちです」。
7週空いた”夏休み”の間も選手会職のかたわら、1日90分のトレーニングを週3回。懸念されていた腰回りの筋肉は太くなり、体重も3キロ増やして73キロ。
背中の筋量も増して強風や雨、悪天候でも力強いショットを連発。初日から首位を快走した。3日目までは、特にアイアンショットの精度が際立った。
最終日こそ「うまくいってない感じがアイアンで出た」と反省したがその分、冴えを見せたドライバーや、グリーンを外す場面が増えても巧妙なアプローチでそれを補うなど「去年、一昨年に比べて全体的に、かなり底上げされた実感がある」。
失いかけた自信を取り戻すにも、大きな連勝だった。
最終日には5600人超の大ギャラリーが、ホールを埋め尽くして選手会長の快挙を見届けた。
女子ゴルフの”シブコさんフィーバー”開けの男子ゴルフを石川が盛り上げた。
次週はまだ未定だが、出場が実現すれば今度は3連勝とともに「”2週”連続の可能性も出てくる。2週連続優勝は、僕の中ではめちゃくちゃ強い選手という印象」。
次週からの「RIZAP KBCオーガスタ(8月29〜9月1日、福岡県・芥屋ゴルフ倶楽部)」と、さらに「フジサンケイクラシック(9月5日〜8日、山梨県・富士桜カントリー倶楽部)共に、V経験を持つ大会が続く。
「またリセットした状態で、いいゴルフができればそういうチャンスもある」。
みんなが待ちわびていた。強い遼が戻ってきた。