開幕を翌日に控えて、やっとホストプロが全員揃った。
ミズノ所属のベテラン、鈴木亨と手嶋多一が時差ぼけの体に鞭打って、水曜日のプロアマ戦から合流した。

先週は、共に「全米プロシニア（米NYオークヒルズCC）」に挑戦。
2人できっちりと、4日間を戦い28日火曜日の14時すぎに成田着の同便で帰国したばかり。

ラウンド中は「いまちょうど夜中だよ…」と、さすがに疲れは隠せず、腫れぼったい目をしながらまずは主催者へのおもてなしでホストプロの役目をひとつ果たした。

今年シニアデビューの手嶋は50歳。
「おっさんにはきついよ」と、つい悲鳴がこぼれるのは今週の開催コースについて。

会場を移して2年目のここザ・ロイヤルカントリークラブ（茨城県鉾田市）は、昨年からまた16ヤード伸びて、総距離は8016ヤードに。
文句なしの史上最長コースに、「長いだけじゃない。グリーンも固くて。明日も、回りきれるかな…」と、つい不安もこぼれる。
実に、29年ぶりのホストVを主催者に献上したのは、2015年。
「今年は正直、4日間やれるかどうかという心境ですが、ホストプロとして精一杯頑張ります！」。

そして鈴木は、帰ったその日にちょうど53歳になった。
前日の28日は誕生日。
空港からいったん、千葉の自宅に戻ると京子夫人がささやかな誕生パーティを開いてくれた。
サプライズで高級財布をプレゼントにもらってそれだけでも嬉しいのに、夜中にはSNSで、長女の愛理さんからお祝い動画が届いて歓喜。
「"世界一のパパだよ"なんて、言われちゃったら泣いちゃうよねえ…」としみじみだ。

人気アイドルとして活動する愛理さんは、日ごろから「パパが理想の結婚相手」と公言していて、それもまた父親の気力に火をつける。
「アメリカから帰ったばかりで疲れているはずなんですが、昨日はきっちり眠れましたし、意外と疲れていない」というのも、うらやましいくらいの家族愛に癒されたら当然かも。
「コースは長くて大変ですが、僕もしっかりやらないと」。
バースデーウィークのホスト試合にベテランの気合が入った。

• 鈴木 亨
• 手嶋 多一