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ダンロップ・スリクソン福島オープンゴルフトーナメント 2019

岩田寛が63。地元東北で見えた、復調の兆し!

棒立ちだけど、バーディです。
地元・東北で、復調の兆しが見えた。ツアー2勝の岩田が初日にロケットダッシュ。
2打差の単独首位につけて「パットが良かったです」と、前半2番の3メートルを皮切りに、取りも取ったり9バーディ。
10番では、2.5メートルを残すピンチもしのいでボギーなし。
最後の18番も楽々2オン。8メートルのイーグルトライをそつなく寄せて、バーディ締めの63だ。

松山英樹ら強豪を輩出する仙台の東北福祉大の出身。
プロ11年目の14年に、フジサンケイクラシックでツアー初優勝を飾り、同年11月の世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」で1打差3位の大健闘。
翌15年の全米プロでは2日目に当時のメジャータイ記録となる63を出した。
それらを契機に意気揚々と、日本を飛び出し16年シーズンに米ツアーに居座ったのもつかの間、1年で撤退。

本場アメリカから持ち帰ったスイングの悩みは深く、この2年あまりは晴れる日もほとんどなかった。
ここ最近は、口を開けば禅問答のような言葉を繰り返すばかりで、「良い時もひとつミスすると、修正できなくなって、日曜まで悪いまま。アプローチパットでしのげている時はいいが、それも悪くなるとゴルフにならない。そういうのが続いていました」。

この日も「1日だけなので、まだ何とも言えない」と言うにとどまったが、それでも先週まで2週の空き週は、地元で「練習したり、トレーニングしたり、遊んだり、よく寝たり。バランスよく過ごせた」。
自宅から、ここ福島県・西郷村のコースまで車で2時間半はかかるが、地元の試合で少しでも兆しが見えたのは嬉しい。

ハーフターンの9番、10番で、同組のベテランが言った言葉も素直に受け止められた。
「手嶋(多一)さんが『今週はヒロシの応援が多い気がする』と」。
観客の中には、何年ぶりかに再会した高校時代の先輩の姿も見え地元の熱烈応援を受けて、ヒロシのテンションもちょっぴり上がった。
「久々にスコアが出たので途中、ちょっと緊張しちゃった」。
普段はあまのじゃくな返答で、ちょっぴり記者を困らす38歳から久々に、素直な気持ちもこぼれた。
「優勝したい」。
4年ぶりのツアー通算3勝目をにらむ気持ちの余裕も出てきた。

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