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東建ホームメイトカップ 2021
片山晋呉の洗濯物を畳んだ男。阿久津未来也の「夢のようなひととき」
開幕初日から同組の小林と石坂と伸ばしあい、3人で実に18個のバーディを取得。
中でも阿久津は、一番少ない5つにとどまっても、唯一ボギーなしの「66」。
揃って5アンダーで上がるという、なかなかの珍事も「今年は勝つということにこだわっていく。明日こそ、自分が一つでも少なく」。
初Vにむけ、ひそかに競争心を燃やす。
今年、入社して5年目の六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)では、コースの看板を背負うヘッドプロに昇進。
「ゴルフ場業務はもうしなくてもいい、と。自分の練習に専念できる契約に変えてくださった」。
でも、習慣は急には変えられず、引き続き、お客さまのキャディバッグを車から下ろしたり、積極的にお手伝いに励むが「そんなんいいから、試合で結果を」との声には、むしろ期待の大きさを感じて気が引き締まる。
今週、出発前には自分に圧をかける意味でも「優勝してきます」とメンバーさんたちの前で宣言。すると、「プレッシャーをかけすぎてもあかんで」と、逆に気遣われて、苦笑いで出てきた。
初めて専属トレーナーについたり、このオフの様々な取り組みの中でも特に、日大先輩の片山晋呉との宮崎合宿は「夢のようなひとときでした」。
当初、月曜から5日間の予定だったキャンプは、「日本ではピカいちのショートゲームを教えていただいたり、アドレスの向きや、芝の薄いこの時期の打ち方を教えてもらった」と、充実の時間はあっという間に過ぎたが、いよいよ最終日の金曜日に、帰りの飛行機が、なんと欠航に。
「なら、今日はうち来いよ」と、誘われたのが、オフ時期のために片山が当地に購入したというセカンドハウス。
「子どものころからテレビで見てきた憧れの人と食卓を囲んだり、他愛もない話をしたり…」。
一泊二日のお礼にと、マネージャーさんを手伝って、阿久津も食器を洗ったり、洗濯物を畳んだりと、かいがいしく世話を焼き「こんな機会など、まずない。嬉しかった」と、思い出に浸る。
「初日の午前スタートはまだ風もなく、いい雰囲気で回ることができて、このまま勝てたら片山さんのおかげです」。
初日の手応えに、早くもV報告の心境である。