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Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 2021
手嶋多一が社会人としてのたしなみ「名刺は必須」
19年の「金秀シニア 沖縄オープン」で、デビュー戦を飾った翌年のこと。
前年覇者として、テレビ局など関係各所にご挨拶に行くことになった。
「その時に、名刺を30枚ほど持ってくるようにと言われて…。慌てて用意したんですけど、全然足りなかった」と、肩身の狭い思いをした。
以来、必ず枚数を揃えて持ち歩くようにしているそうで、最近では大事なお客さんとのラウンドなどでも、コミュニケーションツールとして大いに活用している。
それだけに、今年から本大会の特別協賛社についてくださった「Sansan株式会社」に、羨望のまなざしだ。
オンライン上で名刺交換できるクラウド管理サービスを展開する会社。
「クラウド…って、雲の中に会社があるみたいな感じ?」と、あまりIT関連に明るくない手嶋が、そのしくみを理解するのには、多少時間がかかりそうだが「とにかく、便利なんですよね? 勉強させていただきたい」と、開幕前から興味津々。
1996年の本大会で、ジャンボ尾崎とプレーオフの末の2位で初シードの足掛かりを作った。
2006年大会では、悲願の地元Vを飾った。
昨年はコロナで中止となり、2年ぶりの開催となる今年は、2年ぶりの賞金シード復活がかかるが、5月の大会から5戦続けて予選落ち。
現在の賞金ランキングはまだ75位。
「全然、稼げてない。もう後がない」と、まさに雲にもすがりつきたい思い。
「シニアもいいけど、来年もレギュラーツアーに出られるように。この大会から弾みがつくように頑張りたい」。
大会の地元・福岡県出身。
車で約40分の自宅通勤で、ベテランが懸命に復活の糸口を探る。