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バンテリン東海クラシック 2021
”147ヤード”の汚名返上に燃える。幡地隆寛は切実な首位タイ
首位タイで並ぶチャン・キムも一目置く。
プロ6年目の幡地隆寛(はたぢ・たかひろ)の魅力はなんといっても空を切り裂くドライバー。
でも、後半10番では地を這うようなチーピンが出た。
初日に、自己ベストの「64」にも「なんで7アンダー出せたのか」。
夏から、絶不調の真っただ中だ。
「強めのドローを打とうとして、フェードボールが出ちゃったりする」。
先週まで2週連続の予選落ちから来た三好は甘くない。
「今週も最悪からのスタート」と、覚悟した。
「今日のフェアウェイキープ2回はだいぶしんどい」と、予想通りに乱れた。
「頑張って、危ないOBのほうには絶対曲げないように。ラインを出して、300ヤード」と、慎重に飛ばした。
「アイアンの精度と距離感は戻ってきた」と、左が崖の16番パー3では8Iでピン30センチに絡めた。
17番のパー5は、グリーン奥から60度のウェッジで狙った第3打をチップイン。
「今年初くらいイメージ通りに打てた」と、小技を駆使して連続バーディ獲り。
「18番のセカンドがグリーンに乗るまでホッとできない1日でした」と、自身初の首位獲りにも冷や汗が背筋を伝った。
「パッティングも、いつもはしない素振りを取り入れ丁寧に。調子が良いと、先のことを考えて打ってしまうので。今日が1番目の前の1打に集中したラウンドでした」。
現在賞金ランク48位は初シードの正念場だ。
だが、「今は調子を戻すのが先」と、気もそぞろ。
AbemaTVツアー3勝の資格で今週からレギュラーツアーに合流してきた久常涼(ひさつね・りょう)は出身の岡山・作陽高校の後輩。
「彼にもよいところを見せて…とは思いますけど、今は自分のことで精いっぱい」と、目をくれる暇もない。
大会の土曜日に開かれた前回19年の「ドライビングコンテスト」はまさかの最下位だった。
チャン・キムの対抗馬として注目を集めた1打は忘れもしない。
空に高々と揚げた”テンプラショット”は「147ヤード。幡地の飛距離は謎のままで終わってしまった。汚名返上したい」。
2年ぶりの今年はひそかに雪辱に燃えるが、それも本人には無事、決勝ラウンドに進めてから語れる話。
初日にチャン・キムと並ぶ7アンダー出していながら「まずは、予選通過が目標です」と、切実だった。