異例の20-21シーズンも、いつの間にか残りわずか。
賞金レースと共に、シード権争いが、にわかにざわつき始める。
入れ替わりの激しい勝負の世界で、ベテラン勢があえぐ。
片山晋呉のように永久シードのライセンスを持つ選手ならいい。
だが、今週は片山と予選ラウンドを共にした藤田寛之は悩ましい。
現在の賞金ランキングは66位で今はかろうじてボーダーライン。
「何か、吸収できるものがあればと思って見ていた」と、隣でV争いする48歳の片山を凝視し、片山と並ぶ現役最長の24季連続のシード権の保持を目指してどうにか予選を通過。
通算1アンダーの56位タイで辛くも決勝に進んだ。
20代は1勝、30代で5勝、そして40代で12勝と年齢を重ねるごとに勝ち星を増やして2012年に43歳で、賞金王に輝いた。
「今まで(シードを)危ないと思ったことはなかった」。
しかし現在は経験したこともないほど「ショットを壊している」といい、「半分、諦めも入っている。今年は、ちょっと無理なんじゃないか」と、弱音もこぼれる。
つい先日、ここ数年と今年の自身のバーディとボギー数を比較してみた。
「そしたら逆転していて。1試合で4打違って、年間で80打くらい打っている計算」と、改めて愕然。
「23年もやっていれば、現実が分かる。これだけのミスをしていれば残れない。今の自分は通用しない側のラインにいます」と、自身を厳しく断じた。
もし今年ダメでも1年有効の出場資格「生涯獲得賞金25位内」という切り札はある。
「それを使うべきか。それとも、初めてのQTに行くべきか」。
賞金ランクは77位で、やはり賞金シードを争う一つ先輩の手嶋多一に相談したら「オレは行くよ、と。この年で、おまえはそこまでガチガチにやるのか?と」今は自身に問い続ける毎日だ。
先週の試合で回った西山大広(にしやま・たいこう)という23歳のキャディをつとめていたのがお父さんで、年齢を聞いたら自分の1個上だった。
「おかしくないですか!? お父さんから『よく頑張っていると思います』と言われて。余計に重い…!!」と、苦笑した。
「きつい…きついです。ロープの中でやってるときつい。陸上の短距離走ならとっくに引退ですよ」。
悲喜こもごもの終盤戦。
53歳の手嶋は通算2アンダーの44位タイで決勝進出。
「予選は絶対に通っておかないと。その中で一度、トップ10に入るのが理想です」と、策を語っていた。
賞金レースと賞金シード争い。
さまざまな事情を抱えながら、懸命に戦う選手たちをライブ中継で応援してください。
▼11月6日(Round 3)
9:00ー13:00 CSスカイA
15:30ー16:25 ABC TV・テレビ朝日系全国ネット