3日目の最終組で首位を争っていた2人が、そろって終盤に崩れた。
最終ホールで2人共に池に入れた。
飛ばし屋の幡地隆寛(はたぢ・たかひろ)。
この日は11時10分からコースに出て、もっとも気温が上がった10番パー4では第1打をグリーン近くまで運ぶなど、存分にアドバンテージを取った。
だが、陽が傾くとともに、気温は下がり、18番を迎えたころにはぐっと冷え込んだ。
「そこを頭のなかでちゃんと理解できずに打ってしまった」と、悔やんだのは右ラフから163ヤードの2打目。
「右の林がスタイミーになっていて、フェードをかけていかないといけない。フォローだったので、9番アイアンでスライスをかけても届くだろうと」という計算の中には、日暮れの寒さによる体のこわばりや、疲労を入れなかった。
「なんの疑いもなく打ったら結局、20ヤードくらい足りなかった」と、池につかまった。
打ち直しの4打目をピンに絡めてしのいだが、15、17番でボギーとしていただけに、余計に「最後はマネジメントより、イーグルを狙いたい気持ちが強い。チャレンジしたいホール」と果敢に攻めたのがあだに。
「これも経験しないとわからないこと」と、今度は初の最終日最終日で生かす。
3日目の最終組も初めてだった。
同組の金谷は今大会で史上4人目のアマVを含めて通算3勝、比嘉は今季2勝目。
「僕だけ優勝してない中で、優勝を意識するというより優勝を経験した人が、この中でどういう雰囲気でゴルフをしてるのかという”見学”。よいところ盗むというか、よい経験を得られれば最高」と、この日は予行演習のつもりで挑み、「技術的には絶対に引けを取らない」と、確信することはできた。
谷原秀人に逆転されたが、2打差にとどめた。
「自分が良いプレーをしたことで、今は優勝できると思っている」と、自信をつけて挑める。
最終日の最終組もまた全員、東北福祉大の出身者に加えて今度はみんな広島県勢というペアリングが完成された。
「谷原さんはジュニア時代から憧れの選手。緊張というより楽しみのほうがすごい強い」と幡地は喜ぶ。
金谷は、谷原が2007年に立ち上げたジュニア大会に出場経験があるほかにも、9歳時にボランティアで参加した地元開催のトーナメントでの思い出も挙げて、「谷原さんの組について歩いた時もすごいプレーをされていて、そういう思い出がある選手とプロになって優勝争いができるのはすごい楽しみ」。
2打目を池に入れて、水切りショットを打った18番など、3連続ボギーを叩いた上がりの3ホールについては悔しさを堪えて多くを語らず、「明日はよいプレーをして優勝したい」と、短く抱負を述べるにとどめた。