池ショット
18番の池からピンそばのバーディが獲れました!
自身初の最終日最終組で、ツアー初優勝を狙った幡地隆寛(はたぢ・たかひろ)は、2年ぶりの有観客開催で、最後は自分も観客のひとりになっていた。
大学先輩が1差で勝ちきる瞬間を、目の前で見た。
最終ホールで、奥から6メートルのバーディパットを沈めて通算15勝目を飾った谷原秀人。
みごとなVシーンに目を見開いた幡地は「すげえ、すげえ」とつぶやいて、「シビれた……」と、しばし陶酔。
「谷原さん、カッコいい…」と、心酔した。
「ああいうところで外すということは考えていない。最後のパットがすべて」と、強者のゴルフを実感した。
2差の2位タイから出たこの日は、1番から自身も豪打とピンに絡めるアイアンショットで連続バーディを奪った。
快調に駆けだしたが序盤から、谷原との差を痛感していた。
「谷原さんは前半、渋いパットをポンポンと入れていて。自分はティーショットが曲がり出して、グリーンを狙えず横に出したり。経験、気持ち、メンタルの差。ロケットスタートを切ったのに、すぐボギーが続いて戦線を離れる感じになってしまった」と、要所でバーディ、ボギーを繰り返して流れをつかみ損ねた自身のプレーを反省する。
16番でバーディを獲ったあと、ティショットを右に外した17番についても「まだバンカーに入ってくれた方が良かった」と悔恨し、「砂地のアプローチでショートしてしまった」と、寄らず入らずでパーセーブに失敗。
完全に、Vチャンスを喪失した。
観念して入った最終ホールも2打目を池に入れたが豪快に、しぶきをあげる水切りショットでピンそばのバーディを奪って谷原のVシーンを引き立てられたのは良かった。
「大先輩はかっこよかった 。一番いいところで見られた。ギャラリーとしても、プレーヤーとしても満足です」と、3差の4位タイに終わった初体験を焼き付けていた。