渾身の第1打に、賞金2位の自信と、強い信念が宿った。
首位と1差で迎えた木下稜介の17番パー3(186ヤード)。
「左奥のピンに対して、右からのアゲンスト。持ち球のドローで、いいところにつくんじゃないか」と、確信以上の好ショットが飛び出した。
ピン10センチにくっついた。
この日6つ目のバーディで、ついに首位を捉えた。
「でも、18番が取れていない…」と、最後のパー5は一転、ドローヒッターには打ちずらいティショット。
「右に出ている木が気になって。どうしてもつかまってしまう」と、木が点在する左のラフに打ち込んだ。
クリークとアイアンを両手に迷いあぐねて刻みを選択。
「クリークだとテイクバッグで後ろの木に当たる。最終日もあることですし、攻めたい気持ちを少し抑えました」と冷静に、フェアウェイに置いて丁寧にパーセーブした。
その後うしろの秋吉が、最終ホールでボギーを叩いて後退。
単独首位で、今季5度目の最終日最終組に飛び込んだ。
金谷拓実に抜かれて賞金2位に後退した先週。
「このままでは絶対に賞金王は獲れない」。
すぐに翌日、横浜の奥嶋誠昭コーチを訪ねて指導を受けた。
「動画やラインのやりとりはありましたが、直接の指導は3か月ぶり。疲れもあって、下半身を動かすことができず、手で調整していたのをいくつかのドリルで修正できた」。
すぐに効果を結果で示した。
奥嶋コーチが教える稲見萌寧さんが、今季10勝で女王目前。
「稲見さんは多分大丈夫。あとは僕次第。ここで勝てば賞金王に近づく」と、恩師に報いる男女W戴冠に向かって今季3勝目の必勝態勢を作った。
「この大会で優勝している選手は世界で活躍している人が多い」と、言下に2014年大会を制した同学年の松山英樹を意識。
「僕もここで優勝して、来年は世界に向かって挑戦していけるようにしたい」と言った目ヂカラがすごかった。
※大会の模様は各ライブ中継でお楽しみください。
・テレビ中継
08:00ー12:30(CS放送GAORA SPORTS・LIVE)
15:00ー16:54(MBS発JNN24局ネット・VTR)