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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2021

陥落は19人。52歳の藤田寛之は24季連続シードならず

また必ず戻る!



藤田寛之のシード落ちが決定した。

現役選手としては、片山晋呉と並ぶ最長の連続賞金シードは、23シーズンで途絶えた。

 

シード権争いの最終戦にあたる今大会を、賞金ランク70位で迎えたが、予選の2日間を終えて通算2オーバーの99位タイ。

 

予選落ちを喫して、大会の終了を待たずに終戦した。

 

首位の堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)が通算15アンダーまで伸ばしたこの2日間で、藤田が獲れたバーディは、わずかに3つ。

 

「パーを中心に、バーディ寄りか、ボギー寄りかと言ったら、どうしてもボギー寄りのゴルフになっちゃう。バーディ合戦になると正直、今のゴルフで追いつけない」。

 

ゴルフ人生最大のスランプに陥ったという今年。

師匠の芹澤信雄や、弟弟子の宮本勝昌を頼っても、ついに打開には至らなかった。

「プロになって、スイングがここまでずれたことはなかった。直せないで終わったのも初めて」と、混迷を極めたまま敗戦。

 

今大会で、1歳上の谷口徹が、賞金シードを失い片隅で涙を流したのは2年前。

 

「シード権は、プロゴルファーの勲章だと思う。僕も日本のゴルフ界のトップの場所で、自分の居場所があることに、幸せを感じてきた人間。谷口さんの涙はよく分かるし、胸に響いた」とついに今年は同じ思いを味わい、余計に共感は増す。

 

藤田は、涙こそ流さなかったが初日から、同組で回った宮本に、最終ホールでハグされ「後半、泣きそうでした」と、言われた。

 

「別に引退するわけじゃない」と、笑って言ったが「近い人のことを思うと、谷口さんになっちゃいそう」。

 

クラブ工房を乗せた各メーカーのバスは前日初日に撤収するが、藤田の契約先のヤマハのスタッフさんは、この日も残って、プレーについて歩いてくれた。

 

「最近、トレーナーに体の痛みと一緒に心の痛みも取ってくれ、と冗談で頼むんですけど、ずっと見守ってくれる人たちに、良いゴルフを見せられなかったのは辛い」。

 

2014年までに積み上げた18勝のうち、40代から12勝を重ねて43歳で賞金王に。

マスターズにも初出場を果たして中年の星と、羨望を集めたが「目標を一つずつ、下げていかないといけないというのは悲しいですね」と、苦笑いをした。

 

それでも、「僕が頑張ることによって、同世代や上の人たちから励みになる、という声も聞くので、頑張りたいなというのもある 」と来季は、1シーズン適用の生涯獲得賞金ランキング25位内の出場資格を行使して復活を目指す。

 

「年齢的にも苦しいものがありますが、なんとか自分で立て直していかなければいけない。芹澤さんにもお力を借りながら、本来の自分のゴルフがしたいな、と思います」と、切実だった。

 

そのほか、今大会の予選ラウンド終了をもって、シード落ちが決定した選手は19人(下記一覧)。

 

特に、長期シードを続けていた選手の中では、12年から8シーズン続けた藤本佳則も、大会を通算3オーバーの102位で終えて陥落が決まった。

来月7日から4日間の日程で、宮崎県のトム・ワトソンゴルフコースで行われる来季の出場権をかけたファイナルQTへのエントリーは済ませたが「行くかどうかは未定」と、話した。

 

なお、外国籍の選手には、新型コロナウィルスによる入国制限保障が適用され、各選手の状況によって後日、来季出場可能な試合数が決定されることになっている。

 

<予選ラウンド終了時点のシード権喪失者>

・G・チャルングン(公傷による特別保障制度申請)

・藤田 寛之(生涯獲得賞金 25 位以内の資格保持)

・J・クルーガー(2019 年優勝者の資格保持)

・J・ジェーンワタナノンド(2019 年優勝者の資格保持)

・塩見 好輝

・D・ブランスドン

・梁文冲(リャンウェンチョン)(公傷による特別保障制度申請)

・B・ケネディ

・M・ヘンドリー

・R・ジョン

・M・グリフィン

・P・ピーターソン

・崔虎星(チェホソン)(2019 年優勝者の資格保持)

・姜庚男(カンキョンナム)

・金庚泰(キムキョンテ)(2019 年優勝者の資格保持)

・B・ジョーンズ(2019 年優勝者の資格保持)

・藤本 佳則

・朴相賢(パクサンヒョン)(2019 年優勝者の資格保持)

・W・J・リー

 

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