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フジサンケイクラシック 2021
金谷拓実の信念が揺れている
昨年10月にプロになったばかりのスーパー新人は「自分らしいゴルフをする」が口癖。
「目の前の1打、ひたすら自分のプレーをやり続けられるように」と、言い続けてきた23歳の信念が揺れている。
金谷拓実はこの日、第1ラウンドの残り4ホールと合わせて通算3アンダーの暫定7位。シーズン3勝目も狙える好位置につけたのに、元気がなかった。
「最近、思っていることなんですけれど」と、切り出した。
「自分が当たり前のようにできていたことが、当たり前にできない。自分ができなかったことをやろうして、それがまたできない」。
5月の全米プロから始めた2か月の海外遠征で苦戦。抱えきれないほど多くの課題を持ち帰った。
「いろんなことを感じて、できないことをやろうとしているというのもあるし、それにトライすることはもちろん必要 なことで、それもなかなか上手くいっていない」。
帰国してからこれが3試合目。
先週まで2戦は初日にもたつくことはあっても10位タイ、4位タイと目に見える結果は残しているが、確たる手応えが感じられない。
「それがものすごい悔しいです」。
試行錯誤の中で、自分のゴルフも見失っている。
「大事なパットを決めきれないのも勿論。縦の距離感を揃えるのも得意だったし、打ってはいけない方向には打たないで、というのも得意だったけど、そういうのがちょっと疎かになっていると感じます」。
フェアウェイからの2打目をバンカーに入れて、ボギーで終わった最後の9番で思いが加速。
V争いには踏みとどまったが、「自分が思っている以上に自分をコントロールできていないのが、ちょっと今は残念かな、と思います」と、しんみりと言った。
「ただ、あと2日間あるし、それに向けて状態を上げて、ここには優勝目指してきているので。結果を出したいな、とは思います」。
決勝ラウンドを前に懸命に自分を鼓舞した。