Tournament article

ダンロップ・スリクソン福島オープン 2021

2勝目はあっという間。連勝の木下稜介。止まらぬ勝利欲

©JGTOimages
初優勝は8年かけたが、2勝目はあっという間だ。
木下稜介が、大逆転の連勝を飾った。
通算15アンダーの5位タイから出た最終日に「62」を出した。

2番、3番で「奇跡のようなパットが入った」。
10メートルのスライスラインを立て続けに沈めて勢いづいた。

さらに、5番から3メートル、9メートル、5メートル、4メートルと快調に決めると、前半最後の9番(330yd)ではワンオン狙いの第1打をグリーンの奥まで飛ばして、外からパターで2パットの5連続バーディ締め。

ついに時松を捉えた。

通算25アンダーで、自身初のプレーオフに持ち込んだ。
最初のホールで、右のラフから打った35ヤードのロブショットは先週の「全米オープン」でヒントを得たものだ。

「今までコンタクトに打っていたけど、ミケルソンはボールの手前ごと打っているように見えた。それを練習してみて、試合でもやってみて、最後の4度目も成功。引き出しが増えた」。ピンそばにつけて、1.5メートルのバーディパットで決着した。

「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」で嬉し涙を流してからわずか3週後。「一番は、初優勝してホッとしなかったこと」。
今週の会場で、師匠と慕う谷口徹には「1勝で終ったらあかんで」。祝辞代わりのゲキも効いた。
「1勝だけじゃ一流じゃない。いろんな人に気合を入れてもらって、早くまた勝ちたい」。
思いを募らせる間も作らず実現させた。

初優勝から連勝を飾った日本勢初の選手となったが、「そんな記録があるのも知らず。とにかく、必死で頑張ったのですが、こんなに早く勝てるとは。自分でもびっくりです」。

昨年から教わる奥嶋誠昭コーチとの初タッグも、快挙につなげた。
「距離も全部僕が測って、キャディ業は微妙でしたけど(笑)、プレー後のコーチングで4日間とも安心してプレーができた。奥嶋さんがキャディじゃなかったら、勝てていない」。
信頼と賛辞を感謝の言葉に変えた。

今大会は、初出場の2014年に2位で自信をつけたがその年の初シードには失敗。
複雑な思い出が残る試合で「あの時の悔しさを、福島のみなさんの前で晴らすことができて幸せです」。
初優勝時は涙が止まらなかったが、前回に続く今年2度目の有観客試合で、今度は笑いが止まらない。

「この調子で3勝、4勝といけそうな手応えがある。来週の日本プロも狙っていきたい」。
今度は日本タイトル連勝をターゲットに、勝利の欲も止まらない。

関連記事