今年から、大会タイトルスポンサーのBMW社とサポート契約を結んだ。
大会史上初の連覇と共に、今年はホストVをかけて戦うことになり、「優勝できれば最高の恩返し。勝つしかない。そういう気持ちで4日間を戦いたい」。
開幕前日のプロアマ戦ではBMW社のクリスチャン・ヴィードマン代表取締役社長とラウンドし、最終ホールで距離の長いパットを沈めてハイタッチ。
「吉兆だね、本戦でも頑張って!」と激励されて、余計に思いは熱くなる。
今週はコースの特性を生かして、4日間とも全選手が1番ティからコースに出ていく。
クライマックスの18番は、米ツアーの雰囲気さえ醸す。
瀟洒で巨大な観戦スタンドがグリーンをぐるりと囲む。
そのど真ん中に鎮座するのは今年のV副賞「BMW iX xDrive50」。
開催前週の27日午後5時から6時間をかけてコースに搬入されたそうだ。
展示にあたり、70トンのクレーン車をコースに乗り入れ、車体と下敷きの鉄板合わせて計3.8トンを宙づりするなど、手間ひまかけて運び込まれた垂涎の最新モデルだ。
初優勝を飾った昨年副賞の「BMW X5 xDrive35d M Sport」に続く2台目へ。
「今年もぜひ、優勝して戴きたい」と、思いも高ぶる。
先月は「全米プロ」からそのまま1日18ホールの「全米オープン」米国予選に挑戦したが、いずれも予選落ち敗退。
悔しさと共に、「たくさんの学び」を持ち帰った。
「海外選手のように、今から20、30ヤードも伸ばすのはムリでも、海外の選手みたいにショートゲームを磨くことはできる」と、奥嶋誠昭コーチと復習を重ねて開幕の日を迎えた。
連覇達成なら今年は日米「ZOZOチャンピオンシップ」と欧「BMWインターナショナル」の出場権に加えて「全米オープン」の資格が発生する世界ランク60入りも夢ではない。
さらには、国内初戦から今大会の合計で争う「全英オープン」の日本予選ランキングで最上位になる可能性もあり、「今年150回の記念大会はセントアンドリュースですし、どうしても出たい」と、昨年覇者はどこまでも欲張りだ。
開幕前日に、大会主催のJGTO会長の青木功らと臨んだ公式会見では改めてコース攻略の鍵を再確認できた。
「ここではフェード、ドロー、高い球低い球。すべての球筋が要求される」と、青木も断言するこのコースで昨年では特に難しい17番を、習得したばかりのフェードボールで日に日に攻略。コースが選手を育てることを初優勝で証明してみせた。
「人生のターニングポイントとなった思い入れのある試合です」と使用球の番号も、昨年最終日の日付を表す「66」というこだわりようだ。
JGTOツアーディレクターの田島創志(たじま・そうし)によると、今年は例年よりラフを浅く設定するかわりに攻めるか守るか、選手たちをより惑わせると共に、海外試合で不可欠のピンに向かう姿勢をより引き出すセッティングを施したという。
そしてグリーンは、練習日からすでに目を剥くほど速い。
「パッティングの距離感が難しくグリーン上で考えさせられる。セカンド以降もどこにつけるかがとても重要」と、主催者の意図を読む。
再攻略で昨年覇者がさらなる高みへ。
舞台は整った。
中継予定13:00ー17:00(NHK-BS1)