昨年覇者の木下稜介には9つ後輩にあたる。
大阪学院大学4年の平田憲聖(ひらた・けんせい)が難コースで5バーディを記録。
単独2位で初日を出て「まさかこの順位で終わるとは…。実力以上のゴルフができてびっくりしています」。
自身の初会見に臨んで喜んだ。
高校時代にここ宍戸で行われたメーカー主催の学校対抗戦に2度出場。
「そのときは、あまり飛距離もなかったので難しかったが今日は短く感じた」と、成長の跡を噛み締めながら、8番では手前の花道から12ヤードのアプローチをチップインパー。
難しいバンカーから寄せきれずに5メートルを残した14番もしのいでボギーなしで回った。
「今日は18ホールを通してパットが良かった」と、手ごたえをつかんで好発進した。
昨年3年時に日本学生を制してQTサードの受験資格を得たことで、在学したままプロ入りを決意。
大学の理解と全面支援を受けて、「年度内のシード入り」を目標に、今季から転戦を開始した。
理想のプロ像として、常に頭にあるのは小学時代に参加したジュニアイベントで、共にラウンドした時の石川遼の姿という。
「すごく優しく接してくださったのを覚えています。今でも笑顔で挨拶を返してもらえたり、僕の“なりたい像”につながっています」。
大学先輩の木下稜介が、涙のツアー初優勝を飾った昨年大会は、テレビで観戦。
「大学出身のプロが優勝されたのは、嬉しかった」と将来への希望を高めた。
木下に次ぐ初優勝なら、学生プロの日本タイトル制覇は史上初の快挙だ。
「1年前は、まさか自分がメジャーに出られるとは思っていない。ここで戦えていることに感謝しながら、明日以降も楽しくプレーがしたい」と、気負わない。
21歳の旺盛な食欲は、好物のロース肉なら「無限に行ける」と、タフな宍戸で燃料チャージもぬかりない。