プロ3年目の金谷拓実(かなや・たくみ)は燃える夕焼けが、完全に落ちる間際にプレーを完遂。 初日のホールバイホール
ただでさえ難コースに、日暮れとの接戦も加わったタフな1日だったが「ティショットの調子もよくて、フェアウェイから打つチャンスも多かった」と、4バーディの4アンダーで回りきった。
7番ではバンカーから2メートルを拾うなど、この日唯一のボギーなしがひときわ輝きを放つが、「こんなスコアが出るんだな~」と、苦笑しながら2差で見上げるのは、東北福祉大の後輩だ。
初日から6アンダーで走る蟬川泰果(せみかわ・たいが)さんは「学年も2つしか違わなかったし、僕がいたときはまだちょっと精神的な甘さは感じていたんですけど、久しぶりに合ってほんとに顔つきも変わったと思うし、優勝して自信もついていると思うし逞しくなったんだな…」と、現在の世界アマ1位の成長ぶりに目を見張るが、2019年の三井住友VISA太平洋マスターズで松山英樹に次ぐ史上4人目のアマVを飾り、2020年に世界アマランク1位のメダルを獲得して今大会でその表彰を受けたのは、金谷だった。
同年10月の転向後はわずか3戦目の「ダンロップフェニックス」でさっそくプロ初勝利を飾るなど、後輩たちの羨望を集める牽引役だったが、特に海外での結果を求めた今季は「なかなか結果が出ていなくて、最近は自信もなかったりしていた」と正直に打ち明け、「今日はとりあえず良いプレーができたし、明日もいい状態で迎えられるようにしたいです」。
今大会と金谷の因縁は深く、広島国際学院高校2年時に初出場した2011年に、最年少ローアマ。
東北福祉大1年時は、先輩の池田勇太と争い2位に敗れている。
さらにプロ転向後は、その初戦とした2020年から2年連続の7位に入るなど、金谷にとっても非常に思い入れのあるタイトル戦にはちがいない。