最終日の圧巻「67」は、唯一4日間とも60台をマーク。
怪物とも呼ばれる最長コースでこそ勝負強さを発揮し、3大会ぶりに賞金1位に返り咲き。
「今年は賞金王を狙っています」と、後半戦に向けて気合いが入った。
1差の単独首位から出て、2打目を刻んだ6番パー5で、約3メートルを沈めて最初のバーディを奪うと、8番のパー5は2オン成功。
グリーンにかじりついた長い長いイーグルパットの距離感ぴったり。
楽々2個目のバーディで、ボギーなしの前半9ホールを3差で折り返した。
片岡が10番で2差に詰め寄ったが、すぐ11番でまた突き放した。
12番でグリーンの奥に落としてこの日最初のボギーが来たが、次の13番パー3でピン左横に落とす好ショット。
寄せ付けなかった。
難しい上がりの3ホールこそ手を抜かず、16番でシビアな3メートルをしのいでこの日一番のガッツポーズを握ると、続く17番では手前外からパターで狙った20ヤード超もある長いバーディパットが決まった。
もう間違いない。
4打差つけると、確信したように右拳を小さく2度、3度と揺らして入った最終ホールのパーパットも距離があり、けして易しくなかったが、あまりにあっさり沈めて、逆に会場が静まりかえった。
アマの初出場から3年連続トップ10を入りを続ける富士桜。
「難しいこのコースで今日は風も出て、本当に疲れました」と、息を吐き出し「この優勝でまたひとつ自信がつきました」と、大きく頷く。
プロ転向の2020年は、コロナ禍のまっただ中だった。
「そのときは、無観客試合が多かったんですけど、きょうはひとつひとつのプレーにたくさん声援を贈ってくださって。僕ら選手は自分の力以上のものが出せていると思います。ほんとうにありがとうございました」と、心込めて謝辞を述べ、「男子ゴルフは若い選手もたくさん出て来てもっともっと盛り上がる。僕も刺激のある戦いを続けていきたいと思いますので、みなさま応援宜しくお願いします」と、呼びかけた。