初日に「65」で回った20歳の細野勇策(ほその・ゆうさく)が、この日は大会コース新となる「61」を記録。
昨年の「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」でマークした、自己ベストの「62」も更新。
さらに大会の予選ラウンドにおける最少ストロークを5打も塗り替える「126」で、通算16アンダーまで伸ばして午前の単独トップに急上昇した。
「淡々と、1ホール1ホールこなしていこういう意識でやったら凄いことになっていた」と、童顔の目を剥いた。
この日は早朝の第一組から出た。
「レギュラーツアーのグリーンはいつもきれいですが、その中でもきょうは、一番に使わせていただいて・・・」。
ツアーの高速グリーン対策として、ルネサンス高校1年時から「定着」したカニ爪みたいに握るパターグリップでパット数「23」を記録。
また、「何十万回もやってきている部分」と前・後半の1番、13番とで日頃の成果を示す2度のチップイン。
「1メートル圏内に寄せられればいいかな、というアプローチが入ってくれた」と、2度目の3連続バーディを記録した17番ではついに1日10アンダーに到達し、「ボードは嫌でも目に入りますが、狙って獲ったという感じは全くない。年齢を経て落ち着いていきました」などと、弱冠二十歳は快挙達成にも最後まで冷静だった。
現状なら3日目の最終組前後には入れる見込みで、「出るからには優勝したいが、経験したことのない位置からのスタートになる。そう簡単にはいかない。傲慢にならず、明日もひとつひとつ淡々とやっていきたい」と、決勝ラウンドも謙虚に挑む。
生まれつき心臓に持病があり、小学時代は運動制限があったために諦めたが、野球も大好き。
「チームの雰囲気が和やかなので応援したい」と、ヤクルトファンで、ひいきの選手は村上宗隆さん。
WBCでの活躍も、逐一チェックし「可愛い顔をして、凄いプレーをされるので、好き好き言ってたら、似てるねと言われました」と、そっくりさんの親近感も加わり推し加速。
「あんな格好いいプレーはできないですけど、自分も出来る限りのプレーがしたい」。
ペンもお箸もクラブも左で握る。
レフティ優勝なら、日本勢としては1991年の羽川豊(はがわ・ゆたか)氏以来。
また、今年30回の記念大会での最年少V記録もかかる。
20歳が、左打ちの魔球で神様級の快挙を狙う。