昨年は、日大時代のホームコースで優勝。
現役生たちの前で貫禄を示したが、プロ日本一を決める本大会は毎年、会場を転々とする。
「去年とは雰囲気もまるで違うので。ディフェンディングチャンピオンというよりは、自分も挑戦者の気持ちです」と、コースと対峙。
「18ホール、すべて息が抜けない」と、堀川未来夢も攻略に懸命だ。
恵庭カントリー倶楽部での本大会の開催は、2009年以来14年ぶり。
2014年にプロ転向したため本大会での競技経験はないが、ツアー外競技で行われた2017年の「ネスレマッチプレーレクサス杯」には出ている。
当時は「伸ばし合いのコース」という印象があったそうだが、その後の改造で、状況は一変していた。
「プロゴルファーの実力を試すコース」をコンセプトに、全体距離が300ヤード延長され、たとえばティーイングエリアが新設された8番は、パー3としては、詳細なデータが残る1992年以降における最長の270ヤードに。
右に池、左にバンカーが待つ超難所で「フォローならスプーンで狙うが、アゲンストならグリーン手前のフェアウェイに刻むのもあり」という苦肉の策も。
「フェアウェイも狭いですし、空中のハザードだったり、この時期の洋芝は生き生きとしていて、出球が引っかかってコントロールできなかったり、かなり難しくなっている」と、頭を痛める。
「“ドロー殺し”のホールがいくつかあって、そういうところでドローを打つと殺されちゃう」と、戦々恐々。
持ち技の超低弾道ショットを多用したくても、「ファーストバウンドがラフに行ってしまったら、2、3ヤードしかランが見込めない。得意技だけではいけない」と、八方ふさがりを自覚する。
登録者数30万人越えの動画チャンネルで、この日もせっせとファン向けのコース攻略のVを収録しながら、「解説したからにはその通りにいかないとという気持ちもありますが、試合になるとそれ以外のプレッシャーも出てきますので・・・」と、苦笑いもこぼれる。
芹澤信雄・PGA副会長は今年、理想の優勝スコアを「一桁に設定した」と、会見で述べる一方で、「今の若手はとんでもないスコアを出してくるので・・・」と、想定外も警戒しているそうだ。
堀川は「1日3アンダー出せたら最高。12、3アンダーくらいで優勝するんじゃないか」と、予測しながら「3日目終えて、二桁アンダー行った時に、とんでもないピンポジションは勘弁してもらいたいですけどね」と、笑顔でやんわりと主催者を牽制した。
今年は節目の30歳、プロ10年目。
「気持ちはまだまだ若手のつもりでも、回りは年下ばかりで、いよいよ自分も中堅か、と」。
台頭の波は嫌でも意識するが、「まだまだ自分も負けたくない。連覇を目指せるのは自分だけ。ディフェンディングチャンピオンとして、恥じないプレーを見せたい」と、決意を固めた。