きっての飛ばし屋が、得意と自負するコースでにぎやかに好発進した。
一昨年に続く大会2度目の首位スタートを決め、「終盤戦の中で一番相性がいいのが御殿場。一番のチャンス」と、プロ9年目の初Vをにらむ。
先月の「日本オープン」は勝てなかったが、「結果に一喜一憂しない」と掲げたテーマを貫き3位に入った。
「ゴルフ人生の中で一番の経験ができた」という実感を、この日も窮地で活かせた。
17番パー3のティショットはぎりぎり手前エッジに落ちた。
長い長いバーディトライは、高速グリーンに対してタッチが強すぎ、「グリーンから消えました」と、奥まで転がり出てしまった。
返しの第3打はいま思うとパターでもよかったが、ウェッジのアプローチを選択して、寄らず入らず“3パット”。
痛恨のダブルボギーで、以前ならここからバタバタするところ。
でも、次の18番パー5で214ヤードの2打目を5アイアンで上2.5メートルにくっつけイーグルで、すぐ帳消しに。
「ミスしても落ち着いたプレーを貫くことが、メンタル的にも疲れない。先に見据えるゴルフができるようになってきた」と、また一歩前進できた。
一昨年も首位発進し、囲み取材でその1週間前に籍を入れたばかりの結婚を報告し、最終日には自身初の最終組も経験。
3差4位で大学先輩の谷原秀人に敗れたが、2年越しのリベンジチャンスを引き寄せた。
「今季の残り試合で唯一のチャンス。ここしかない、という気持ちでやっている」。
今度こそ逃さない。