恩人らが見守る最終ホールの花道を、年下の幼なじみと散歩。
小斉平は前の17番で、ティショットもアプローチもミスしたが、12メートル超のパーパットはしのいでいた。
18番のグリーンに向かって、仲良く並んで歩く途中で中島啓太(なかじま・けいた)が「さっきはナイスパーでした」と、グータッチで称えてくれた。
3歳下の中島とは、ジュニア期から旧知の仲だ。
「昔から上手かったですけど、今はさらに上手くなっていて、さすが賞金1位やな、と。きょうは素晴らしいプレーを見せてくれて、僕も気持が高ぶった」と、最終日の力にした。
3日目までパットの不振で、伸び悩んだが「ない、と思っていた富士山からの目をきょうから意識した」と、5バーディボギーなしと健闘。
中島が、水切りショットを披露した18番では、小斉平も左のラフの傾斜地から上手く寄せてバーディチャンスを作った。
「ゆうわ、頑張れ!」
「最後入れろ!」
・・・と、グリーン横のVIPテントから注ぐ大声援も背に受け、カップを狙いすましたが惜しくもパー。
5年前の本大会で、同じような距離とラインをフックと読んで外したので、「きょうはまっすぐ」と読んだそうだ。
「そしたらきょうは、ちゃんとフックしました」と苦笑した。
「入れたかった・・・」と、悔やんだが「65」は御殿場コースでの自己ベストだ。
日頃から、練習や、合宿でお世話になるコースで最終日を盛り上げ「ちょっとはお返しできたかな」と、はにかんだ。
直近トップ10の資格で次週の「ダンロップフェニックス」の出場権も獲得した。
もう1試合チャンスを得て、21年以来のシード復活も夢じゃない。
「今週の結果は自信になります。僕も頑張って、優勝を目指せる選手になりたい」と、所属コースでこの先を見据えた。