前日に回りきれなかった第3ラウンドの残り8ホールを1バーディ、1ボギーで終えると、最後の18ホールも2バーディ、2ボギーでまとめて「71」。
通算11アンダーのまま、2打差で逃げ切った。
ティショットを左に曲げて、出すしかなかった15番で、同組のヨンハンと中島の2人に並ばれたが、追いつかれたのはここだけ。
すぐ16番パー3で、池のすぐそばに立つピンに向かって「自信を持って打てた」と、8アイアンで攻めて奥5メートルにつけた。
ティショットをピン奥で長いバーディトライとなった中島は、3パット。
奥のカラーに落としたヨンハンも、そこから3打を要した。
ボギーを叩いた2人に対して2パットのパー。
すぐにリードを奪い返すと最難関の17番パー4で、渾身のショットが出た。
左の深いラフから打った2打目は「1打リードでも、攻めるしかない。今週のテーマは積極的なゴルフ。開き直った。ピンだけを狙った」と、手前の池からすぐのピンにめがけて振り抜いた2打目は、カップをのぞく50センチ。
OKバーディで、2打のリードを作って18番へ。
最後も左のバンカーから、右ラフに落とすピンチだったが、寄せて1メートル弱。
「優勝者らしく決めよう」と、しのいで勝ち抜いた。
「1打リードを守り抜こうと思ったら、勝てなかった」と、攻め抜いた1日を振り返った。
前夜、験担ぎで食べた好物のハンバーグと、大学先輩の松山英樹と同じ黄色の勝負服も御利益があった。
2019年に、史上4人目(現在は6人)のアマVを達成した「三井住友VISA太平洋マスターズ」と転向後20ー21年の「ダンロップフェニックス」と「東建ホームメイトカップ」に続く、2年ぶりの国内アマプロ通算4勝目は、5年シードのビッグタイトルになった。
プロ転向翌年の2022年は、退路を立つ覚悟で海外ツアーを戦ったがメジャーを含めて4試合連続の予選落ちが2回。11月の欧州・DPワールドツアーの予選会も失敗し、思い詰めた時期もあったが、今年2月のアジアンツアー「インターナショナルシリーズ オマーン」で海外初制覇。
ガルシアら、強豪が集まる大会で4打差の圧勝を飾っている。
先週の「ミズノオープン」は、平田と中島のプレーオフには残れなかったが、2位の資格で4大会連続で出場権を獲得した「全英オープン」に続いて、今週は欧州の「BMWインターナショナル」と日米「ZOZOチャンピオンシップ」の出場特典も手にした。
「ここからまたチャンスも増えてくる。もっともっと強くなって、世界でも活躍できるように頑張りたい」と、決意を語った。
「学生時代から、松山選手を見てこういう選手になりたいと思っていた。早く結果を出してそこの位置でプレーしたい」。
折しも、PGAツアーの「メモリアルトーナメント」で優勝を争う松山にも後輩の吉報が届いていたはずだ。