岡山出身の21歳は、おそらく武将の末裔でもある。
大阪学院大学4年の宇喜多飛翔 (うきた・つばさ)が「64」をマーク。「今週からパターを変えて、きょうはパットが本当に良かった」と、プロ初ホールの10番で4.5メートルを沈めてバーディで飛び出すと、最後9番も3メートルのバーディ締め。
ボギーは「OBバーディ」で耐えた後半4番だけだった。
16番から3連続バーディの17番では、チップイン。
7アンダーで、永野竜太郎と並んで「いいゴルフができたかな、と思います」と、頷いた。
アマ時代に8試合に出て予選通過は5回。
一昨年の本大会では初日の3位発進で片鱗を示し、昨年はプロの試合の最高位となる7位の結果を残してベストアマに輝いている。
8月の「日本学生」で学生日本一に就いて、ツアーのサードQTの出場権利を得たことで、「1年でも早くプロの道へ」と3年生の昨年、在学したまま転向を決意。
ファイナルQTに勝ち上がり、ランク35位でメンバー資格を得た。
中学時に初めて出た全国大会では、朝イチのティショットで手が震えたそうだが、「ゴルフはもう職業だから」と、この日はプロとしての初1打も平然と立ち、アマを束ねる関西ゴルフ連盟主催の本大会はチームメイトもたくさん出るが、練習ラウンドはアマチュア時代に出場したABEMAツアーで親しくなったプロたちとプレー。
「先輩たちと回ったほうが成長できる」と、急ピッチで経験を重ねる。
安土桃山時代に豊臣秀吉を支えた武将「宇喜多秀家」の末裔を名乗る。
家系図を完全にたどれたわけではないそうだが「豊臣五大老」の可能性は高く、「周囲にも覚えていただきやすい」と、トレードマークのひとつを自負する。
1999年のJGTO発足以降、デビュー戦Vを飾った日本勢はまだいない。
初快挙に名乗りを上げたが「優勝を意識しすぎてもだめ。自分ができることをやって、成績がついてきてくれればいい」と、まずはのびのびつばさを広げて飛翔する。