「ザ・苦手」と命名するのはJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)のインコースだ。
「どうしても41、42を打つイメージしかない」と、苦手を払拭できないのは15、16年の出場予選会QTサードで、2年連続敗退しているから。
特に「12、13、14番はびくびく回る」と、幡地の中では“アーメンコーナー”のようだが、前日3日目は12、13番をパーで切り抜け、14番では3番Uで4メートルに乗せてチャンスを奪って戻るなど、「まずはいい感じでその3ホールを終えられたのがいい結果につながった。この風の中にしたら100点」。
3日目を終えて首位と3差の5位タイこそ払拭の大きな兆しだ。
「アイアンの制度が上がった分、フェアウェイでいい、という選択もありますし、風の適応力もあり、大きな面でいえばパターかな。一番嫌なイメージがあるグリーン上で、外れてもしっかり打てば結果は気にしない。伸び悩んでももやもやしない。嫌なイメージが残らない」。
手ごたえは出てきた。
2021年に木下稜介(きのした・りょうすけ)が、「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」での初優勝から「ダンロップ・スリクソン福島オープン」での2連勝を飾ったが、日程は2週空いていた。
先週の「関西オープン」でプロ10年目の初優勝を飾った幡地が2週連続Vなら日本勢としては初快挙。
また、今大会の上位3人には全英オープンの出場資格もあるが「僕の場合は前半終わって4打差ついてやっとほかの選手と同スコア。ようやくフェアに戦える」と予防線を張る。
広島県の三原市で生まれ、高校は渋野さんと同じ岡山県の作陽に通った。
“地元”で苦手克服のご褒美は、あまりに大きい。