JGTOが主催する5年シードのタイトル戦は、予選ラウンド初日から延々、1番ティからスタートしていく。
第1組がティオフする朝6時10分に合わせて、YouTubeのインターネット中継も、6時から放送を開始する。
このため歴代の賞金王も、座りっぱなしだ。
「こんなに長いとは…」と、つい息を吐くのは木・金曜日の解説をつとめる藤田寛之(ふじた・ひろゆき)。
2012年の賞金王で、ツアー通算18勝の大ベテランである。
インターネット生中継中です ※NHKBSは 13:00ー17:00の放送予定です
JGTOからオファーを受けた際にはよく内容を見もせずに引き受けたそうだが、いざ本番日の集合時間は早朝5時40分。
「でも、スタッフのみなさんはもう4時半には来てたって…。大変」と、裏方の皆さんと苦楽を共に。
テレビ解説は、シニアツアーや昨年の「バンテリン東海クラシック」でも経験済みだ。
「いつも自分が思うのは、選手の代弁者のつもりで話すこと。見る側とやる側とでは矛盾が生じるもので、見る側は頑張れ、とかなんでミスするんだよ、とか言いがちですが、やる側はミスにも理由があるし、みんな一生懸命頑張ってるし。その一瞬、一瞬でベストを尽くそうとしている若者たちの気持ちを代弁したい」との思いをこめて、ブースに座る。
自身の長男ももう21歳。
「成人して車に乗って、大学3年生です。息子よりも若い選手もいましたね」と、画面を通じて改めて、昨今の世代交代を実感する。
「スイングスピードだったり、飛距離だったり、堪能しました」とたっぷり午後14時まで。長丁場を満喫する。
本大会は2000年の開始から、21回出て18年まで決勝進出を続け、弟弟子の宮本勝昌(みやもと・かつまさ)にタイトルを譲った2010年には自己最高2位の成績を残した年もあったが、20ー21年のシード落ちに合わせて2年続けて予選敗退し、22年にQTサード落ちを喫した昨年からは出場機会にも恵まれない。
主戦場のシニアツアーも「今までみたいに張りつめたり、自分を追い込んだりするのはもういい。めいっぱいは疲れますので。少し緩んだ感じでやらせてもらってます」とはいえ、「レギュラーも、それはやっぱり出たいですよね」。
5月の「関西オープン」で今季初戦を戦ったときも感じた。
「このレギュラーの刺激っていうのはやっぱりほしい。老け込みたくない。人としても、ゴルフとしても」。
また宍戸に立つ日を夢見ながら、きょうも若者たちの代弁者になる。
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