たとえば米ツアー1勝の小平智(こだいら・さとし)も、実は2013年の本大会が自身の初Vだった。
また前年の2012年を制した藤本佳則(ふじもと・よしのり)は、大会初出場にして初優勝を達成。
ルーキー年での日本タイトル獲得は史上初(記録が残る85年以降)とか、出場5試合目の最速V(JGTO発足後)とか、大会史上最年少Vなど、さまざまな記録をしょっての初タイトルだった。
直近では、先々週のミズノオープンで3年ぶり3勝目を飾り、今年は自身2度目の連勝がかかる木下稜介(きのした・りょうすけ)も、2021年の本大会が人生初勝利。
当時を振り返り「僕の人生を変えてくれた試合」と語るなど、いまも自分史に残る1戦となっている。
大会はJGTO発足翌年の2000年から始まり、2003年からここ宍戸に会場を移した。
難攻不落とも呼ばれる。
どの年もコースとの死闘の末につかんだ栄光だから、なおさら胸に深く刻まれる1勝となる。
今年も初優勝を夢見る若者たちが、頂点をつかもうと懸命だ。
初日に昨年覇者の金谷とともに首位発進した吉田泰基(よしだ・たいき)や金子駆大(かねこ・こうた)も悲願がかかる。
プロ4季目の金子は今季の初シード選手でもあり、宍戸にフレッシュな風を吹かせる。
昨年の「日本オープン」で3位と健闘するなど賞金54位でレギュラー昇格を果たしたのを機に、今季から目澤コーチの指導を受けるなどして、理想の球筋も安定してきた。
「難しいコースですけど苦手ではない。ボギーは必ず来るコースなので、焦らず我慢ができればな」と、初日は1番から続けて取るなど7バーディとボギーはひとつにとどめて「66」。
上々のスタートを切っている。
「2日目以降もバーディ先行で行ければ」と金子。
高校3年でプロ転向し、プロ4季目を戦う21歳は、難攻不落のタイトル戦でも冷静だ。
※本大会でのツアー初V者
木下稜介(2021年)
堀川未来夢(2019年)
市原弘大(2018年)
塚田陽亮(2016年)
梁 文冲(2015)
竹谷佳孝(2014年)
小平智(2013年)
藤本佳則(2012年)
J・B・パク(2011年)
五十嵐雄二(2009年)